らをた広島

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スズキVストローム650ABS

Vストローム14
あるとき偶然にスズキVストローム650ABSに試乗するチャンスがあった。
Vストローム650って言ったら今流行りのアドベンチャー系と言われるジャンルのミドルクラスバイク。
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BMW・GSシリーズやヤマハTDMあたりが開拓してきたカテゴリーで余裕のある長いサスペンションを装備しておりスリムで背が高いオフロードライクなスタイルが特徴と言える。
コレに大型カウルをフレームマウントして快適性を、また大型キャリアで積載性を持たせることやらでツアラーとして仕立ててある。
2013年モデルの国内仕様モデル。
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・ポジションと足つき
自分は身長170センチの典型的な日本人体型だが、ほんの少しだけ前傾があるがほぼ直立しているライディングポジションといえる。
この手の足長バイクにありがちな足つきがキツいってことはまるでない。
両足ほぼベッタリと接地するから不安はまるでない。
このスタイルでよくここまで低いシート高を実現できたなと感心為る反面、アドベンチャー系バイクの良さでもある高いアイポイントからの見晴らし感もなく個性が感じられないのはちょっと残念だ。
取り回しは驚くほど軽くサイドスタンドを支点にしてクルッと方向転換できると思う。
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・エンジン
車名からもわかるようにコイツが搭載するのは650ccの90度Vツインエンジン。
自分はVツインってあまり縁がないのだが低速でギクシャクするイメージがある。
事実このVストロームも昔のツインエンジンやりはましだが3000回転以下はかなり苦しくて思うように加速していかない。
6速のトップギアで35km/h以下は使えないがその分Vツインとは思えないほど高回転が弾けるショートストロークエンジンのようだ。
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66馬力くらいだからそんなに驚くほどではないがなかなか活発なよく出来たエンジンと言えるだろう。
だけどVツイン独特の鼓動感も希薄で悪く言えば個性がなく走らせる面白みに欠けこのバイクに載せられてる理由がよくわからない。
個人的にエンジンフィーリングってバイクの性格を決める最も大きな要素だと思うがこれに不安が残る結果と言わざるを得ない。
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・車体の操作と運動性能
Vストロームに跨って走り出すとまず最初にこのフレームマウントされた大きめのカウル効果を実感する。
このカウルはフロントタイヤ周りが見えなくくはなるがそれ以上にツーリングには必須とも言える大きなウインドプロテクションが期待できるだろう。
常識的なロードバイクのタイヤサイズと若干異なる19インチのフロントタイヤはやはりハンドリングに影響を与えている。
基本的には素直なハンドリングながら切り返しは210kgの軽い車体にしてはスパッスパッとはいかずタイヤが思っより遠回りする印象をうけた。
Vストローム01
ABS付きのブレーキはトキコ製でフルブレーキもやってみたが必要にしてじゅうぶんな制動力をもつ。
ABSも最新のものらしく介入も自然だ。
個人的な好みや慣れの問題かも知れないがリアブレーキの効きがやや強過ぎて小回りするときにひやっとする場面もあった。
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・その他
メーターはデジタルの一体型。
大きく表示されるギアポジョンもスズキの伝統に則っており実用的で好ましい。
ブラックアウトされているブっといツインスパーフレームはこのマシンが完全なロードモデルであることを表している。
その恩恵はおそらく高速走行時の直進安定性で発揮されそうだ。
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そのフレームを利してかなりおおきなクラブバーとキャリアが装備されていてパニアとトップケースを付けてフルツアラー仕様にしたほうかこのバイクはそれらしいかもしれない。
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・総括
このバイクの値段は88万2千円だ。
ABS付きのCB400が80万円程度するコトを考慮すれば650ccの排気量で日本で組み立てられるバイクとしてはかなりの安さということができる。
だけどその「安さ」はこのバイクの値段はあちこちに垣間見えてしまっている。
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ツアラーらしくデュアルのヘッドライトは暗いしリアブレーキランプは今年発売のバイクなのにLEDではなく通常の電灯だ。
バックミラーに至ってはスクーターかなんかの流用なのかデザインもへったくれもあったもんじゃないダサいもの。
オフロードを演出しているのかわからないがマシン上部に跳ね上がったマフラーは騒音規制の影響か必要以上に太すぎて全体から浮いている。
平たく言えば「カッコ悪くて安っぽい」となる。
この値段は先日発売された新型カワサキZ800とほぼ同額なのだがZ800の出来を見るとどしても最近の技術なら海外生産(Z800はタイ生産)でもコストダウンしながらもじゅうぶんな品質を確保できてしまうことが理解できる。
乗り味も可もなく不可もなくと言った無味乾燥としたものでよく言えば万人向けの入門車、悪く言えば底が浅くすぐ飽きてしまいそう。
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以前にもレーサーレプリカブームがあってその反動で今度はネイキッドブームと今度はアドベンチャーバイクブームのようだから一丁、今度はそんなカッコにしたててしまえ!みたいなそんなスズキのメーカー事情が自分には透けて見えてしまったVストローム650ABSだった。
あくまでもシロウトの個人的なインプレッションなので念のため。
Vストロームー1
SV650系の90度Vツインエンジンをツインスパーフレームに搭載する、欧州で人気のスポーツエンデューロツアラーの新型。輸出仕様同様、国内仕様もスタイリングを一新し、各部に熟成が図られた。
■エンジン型式 = 水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ
■総排気量 = 645cc
■ボア×ストローク = 81.0×62.6mm
■最高出力 = 66PS(49kW)/8,800rpm
■最大トルク = 59Nm/6,500rpm
トランスミッション = 6速
■サイズ = 全長2,290×全幅835×全高1,405mm
■車両重量 = 214kg
■シート高 = 835mm
ホイールベース = 1,555mm
■タンク容量 = 20リットル
■Fタイヤサイズ = 110/80-19
■Rタイヤサイズ = 150/70-17