とある市役所で、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く牧本壮(阿部サダヲ)。
空気が読めず人の話を聞かない彼は、故人を思うがあまり周囲を振り回すこともしばしばだった。
そんなある日、おみおくり係の廃止が決定する。
孤独に亡くなった老人・蕪木孝一郎(宇崎竜童)の葬儀が最後の仕事となった牧本は、故人の身寄りを探すために友人や知人を訪ね歩き、蕪木の娘・津森塔子(満島ひかり)のもとにたどり着く。
『舞妓 Haaaan!!!』などの主演・阿部サダヲと水田伸生監督が再び組んだ人間ドラマ。
人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として役所で働く男が、ある老人のおみおくりに身寄りや知人を集めようと奔走する。
ウベルト・パゾリーニ監督による『おみおくりの作法』を原作に、『十二人の死にたい子どもたち』などの倉持裕が脚本を担当。
共演には『海辺の生と死』などの満島ひかり、『曽根崎心中』などの宇崎竜童のほか、松下洸平、でんでん、宮沢りえ、國村隼らが名を連ねる。
阿部サダヲ主演と言う事で興味があって観た。
身寄りなく死んだ人の、いわゆる無縁仏の後始末が仕事の公務員のお話。
始まって早々から実際にこんな事はもう日常的にあるだろうとリアリティが凄くある。
親族が誰も出席しないので役所の関係者だけの葬儀と納骨と地味だけど現代に於いては必要な仕事なのだろう。
劇中に「庄内市役所」と看板が出ているので舞台は山形県庄内市と言うことなのだろう。
無縁仏の役で宇崎竜童が出ているが歳を取ったと調べてみたらもう77歳だとびっくりしてしまった。
物語は淡々と進んで行くのだがどういう展開をしていくのかさっぱり読めない。
我が家の坪倉由幸が嫌な上司の役で出てるが演技が巧すぎて最初は誰かわからなかった。
中盤からはこの映画の伝えたい事が段々とわかるようになってきてすっかり物語に入ってしまった。
誰でもいつかは向かい合わなきゃならない自分の死という問題だからこれは全く他人事じゃない。
確かに自分がどう死ぬのかと言うのは生きている以上、ずっと考えておかなきゃならんのかも知れない。
思いもよらないラストに泣かずにはおれなかったが何故か清々しい気持ちになった不思議な作品だった。
全然期待しないで観たが地味だけどよく出来ていて考えさせられながらも感動するという力作だったアイ・アム まきもとだった。