らをた広島

食べ歩きブログ

スパゲティ

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遥か昔、恐らくは自分がまだ中学生くらいのときの話し。
呉市民の楽しみは広島に出てきてのショッピング。
あの頃は洋楽に凝っていたから第一産業(現デオデオ)本店に直輸入レコード狙いで何度もきていた。
呉で通常入手できるレコードが2500円だったのに対して直輸入版は1枚1600~1800円程度で格安だったからだ。
ただしジャケットは厚くレコードは薄いセロファンみたいな梱包を施され日本語翻訳歌詞や音楽評論家によるヨイショ解説のついた正規国内版に対して直輸入版はペラペラのジャケットにレコードは裸で放り込まれており解説なんて勿論なしだし時としてレコードが波打ったように変形しているものもままあった。
アチラではこの程度は不良品とはならないのだろうと妙に納得したものだ。
カネのない中学生にはそれでも格安レコードは魅力に溢れていた。
そんなある日、友人と3人でいつものようにレコードを買い昼飯を食うために喫茶店に入った。
自分ともう一人はカレーを注文。
残るもう一人が注文を聞きに来たいかにもバイト風の若いおねえちゃん店員に「スパゲティ」と告げた。
すると店員が「ナポリですか?イタリアンですか?」
友人「・・・スパゲティ」
店員「ナポリですか?イタリアンですか?」
友人「スパゲティや」
店員「ナポリですか?イタリアンですか?」
友人「スパゲティ」
呆気にとられる我々をしり目にしばらく押し問答は続き最後には友人が
「やっぱりわしもカレーでええわ」

気まずい思いして広島を後にした(笑)
しかしこの話し、ソッコーで吹き出したヒトはそれなりの年齢のハズで若いヒトにしてみれば通じないだろう。
どちらもトマトケチャップ和えのパスタの事だがイタリアンは小さな鉄板に乗りタマゴが敷かれたようになっているもの、ナポリタンはタマゴはないがもう少し具が豪華で皿に乗って出てくるものを差していたものだ。
元々イタリアには存在しない和製洋食というやつだ。
現代でも絶滅危惧種に指定されている場末の喫茶店で拝むことができればそれはむちゃくちゃラッキーなので知らないヒトは食ってみるのも一興ではある。