
やってきたのは和歌山県有田市。
「ありたし」ではなく「 ありだし」と読むようだ。
和dining清乃(せいの)、食べログでなんとダントツ和歌山県ナンバーワンの高得点をたたき出しているお店のようでこれはなんとしても訪れてみんといかんだろう。


しかしまあどうしてこんなとこで営業されているのかわからんくらいにど田舎ではある。
それだけではなく幹線道路からはいった辺鄙な場所にあってわかりづらいのは間違いない。


店の前の道路を挟んで反対側に駐車場があるがここが満杯になるとここから見える場所にある神社のダート部分に駐めても良いと書いてあるのでクルマの問題は大丈夫そうだ。
自分らは休日の開店前15分くらいに着いてしまったのだがもう他にも客が駐車場にいたから人気店なのだろう。


店内はまるで居酒屋のようだ、っていうか夜は居酒屋なのかもしれない。
右奥が厨房になっていてそれに沿うようにカウンターがあって後ろに小上がり掘りごたつ式テーブル席に宴会用の大机まであるのはもう完全に居酒屋仕様でしょ(笑)
それにBGMは自分らの世代でも懐かしいピンクレディーメドレーなのはある意味新鮮だ。


店の中には麺用の小麦粉がいくつも積み上げられているのでこりゃ自家製麺なんだろうな〜。
醬油はお隣りの湯浅市の湯浅醬油が置いてあるのでここらへんがここのラーメンの出自になるのだろう。


要はしょうゆ、塩、とんこつ醬油、ブラックといったメニュー展開なのだがオススメはしょうゆと書いてある。
だけどこの塩にしてもブラックラーメンにしてもソソられるのが並んでいな〜。
お子様ラーメンがあったりとんこつ醬油とあっさりしょうゆつけ麺があるようでラヲタにとってはメニュー読むだけで自然と血圧があがりそうだ。

5分だけまってから来たよ!
和dining清乃の角長しょうゆ「匠」800円。
角長ってなんのことかと思っていたら 湯浅に角長醬油ってのがあってそこの生しょうゆを使ってるからこの名前になったのね。
それにしてもこの時点で半端ないくらいの魚介の香りがそこら一面を漂ってくる。

「清乃のラーメンは
全種類が自家製麺に切り替わりました。スープの味を邪魔しないようにカンスイを出来るだけ使わず毎日、打ちたてを、お出ししております。国産小麦にこだわった店主自慢の麺をお試し下さいね♪」
なるほどこれが国産小麦の実力なのか非常に薫りが良いし歯ごたえも悪かろうハズがない。


おそらくは無化調か微化調なのか間違いなく最初のスープの印象は味がぼやけて物足りないのだがその分後半にぐいぐい押し寄せてくるような力強さをもっている。

驚いたのはそれだけではなくとろとろどころかトロットロの超柔らかいチャーシュー。
これは歯がないお年寄りでもじゅうぶんに楽しめるだろうしその味も感激モノだ。


デフォルトで入っている煮玉子もほんのりと微かに醬油で味付けされておりこちらもコダワリを感じずにはおれない。


失礼ながら若くひ弱で優しそうな大将ながらその仕事は繊細で実に細かいところまで気配りが素晴らしい一杯だった。
これだけ上質な素材を使うとそれぞれがもつある意味強烈なアクと個性をうまく御することができずとっちらかってしまう例をよく見かけるのだがその精密で精緻な制御の仕方はもはやアートと言って良いと思う。
和歌山ラーメンといえば濃いとんこつ醬油だがら当然それを全面に押し出している店なのかと思っていたら差に非ずの和風しょうゆラーメンなのはけっこう面食らった。
だがさすがは和歌山県ナンバーワンラーメン店の実力をまざまざと見せつけられたような気がした。