『容疑者xの献身』『真夏の方程式』に続く、東野圭吾の小説を原作にした『ガリレオ』シリーズの劇場版第3弾。
殺人事件の関与を疑われていた男の不可解な死の真相を、物理学者の湯川学らが解き明かしていく。
監督の西谷弘、湯川役の福山雅治、内海薫役の柴咲コウ、草薙俊平役の北村一輝と、スタッフ、キャストにはおなじみのメンバーが顔をそろえている。
数年前から行方不明になっていた女性の死体遺棄事件を捜査する、警視庁捜査一課の刑事・内海薫(柴咲コウ)。
先輩の草薙俊平(北村一輝)がかつて担当した少女殺害事件で無罪となった男が容疑者となるが、今回も証拠不十分で釈放される。
やがて男は女性の遺族たちが暮らす町に現れて彼らを挑発した後に、何者かに殺されてしまう。
男の殺害への関与が疑われる人物にはアリバイがあり、その死因も特定できない。
捜査に行き詰まった内海は、アメリカ帰りの物理学者・湯川学(福山雅治)に助けを求める。
ガリレオはドラマ版は観たのでこの映画は楽しみにしていた。
演技が上手いのか下手なのかよくわからん福山雅治主演でこの役はある意味ハマり役でこのシリーズは福山雅治主演以外では考えられないだろう。
しっかりと予算が掛かっているのがひと目でわかるようなキャストと映像でコレでストーリーだけが唯一の不安材料ではある。
そもそも物理学者が犯罪の謎を解き明かすという荒唐無稽な設定ではあるがドラマ版ではそれなりに説得力を持たせていた。
今回もそういう流れの展開になるはずだしそうならないとこのシリーズの根幹が揺らぐ事になる。
操作中の警察内部がドラマハコヅメみたいにリアルに描かれていてココらへんはドラマ版とは違うようだ。
ドラマでは共演の柴咲コウが駆け出し刑事だったが年月設定がどうなっているのかこの映画中でも柴咲コウはまだ駆け出し刑事扱いのままなのはやや違和感がある。
基本的に推理モノとして物語は進行するのだがキャスティングからして何となく犯人がわかってしまうのがこの手の作品の弱点で、それを逆手に取ったのが刑事コロンボだと言われている。
この作品でもやはりその法則が成り立つようでココらへんが推理ものの難しいところなのだろう。
タイトルの沈黙のバレードとは面白いセンスだと思うがトータルとして見れば使い古されたような古典的ストーリーで目新しさはまるでない。
残念ながら2時間ドラマみたいな造りでコレを映画館で観させられるとなるとかなりキツいもんがあるだろう。
フジテレビの凋落みたいなのをよく言われるがせっかくのコンテンツを活かしきれてきないのはそのせいなのかも知れない。
最初は良いのだが後半になればなるほど盛り下がってショボくなっていく失敗作の典型のようだった沈黙のバレードだった。