麻薬密輸人が捨てた大量のドラッグをクマが食べたという実話を基に、コカインで凶暴化したクマに襲撃される登場人物たちの惨劇を描いたパニックホラー。
麻薬王や警察、子供と母親、レンジャー、不良少年などがさまざまな思惑を抱え、クマの潜む森に入っていく。
監督は俳優で『ピッチ・パーフェクト2』などでメガホンを取ってきたエリザベス・バンクス。
出演はケリー・ラッセルやオールデン・エアエンライク、オシェア・ジャクソン・Jr、レイ・リオッタなど。
1985年、セスナ機でコカインを運んでいた運び屋が、アメリカ・ジョージア州の森にコカインを投下したあと、機体から落下して死んでしまう。
麻薬王のシド(レイ・リオッタ)は手下のダヴィード(オシェア・ジャクソン・Jr)にコカインの回収を命じる。
一方、13歳のディーディー(ブルックリン・プリンス)は森へ絵を描きに行くが、コカインを食べて凶暴化したクマに襲われる。
事実に基づく作品らしいがコカインで熊が凶暴化とかいかにもアメリカらしいお話ではある。
最近の映画なのでおそらく熊はCGだろうがよく描けていて本物にしか見えない。
1985年が舞台だからそれに完璧に合わせたセットや服装、クルマなどが用意されていてこのあたりはハリウッド映画は抜かりない。
この手の映画と言えばあの「ジョーズ」が有名なのでそういう内容の動物パニックだと思って観ていたがちょいちょい笑えるシーンもあって想像と少し違った。
ただコカインを使用しないとの啓蒙が目的なのかこのラリった熊がそれは恐ろしく描かれている。
熊はこんなにデカイのではないが林道をバイクで走っていたときに何度か見たことがあるがエンジン音にビックリして逃げて行くことが多くそんなに無闇に人間を襲うことはない。
だからコカインでラリった設定になっているのだろうがグロいシーンも結構あってコレはおこちゃまにはムリだろう
上映時間は1時間半程度なので全体にサクサク進行してくれるので物語に集中出来るのは嬉しい。
ラリった熊はワルモノには違いないが本当に悪いのはヤクの売人だからか、熊は何処か可愛らしく描かれていてこれは好感が持てる。
まあいわゆるB級映画と言う奴だと思うので予算はあまり掛かっていないのが丸わかりではあるがソレでもなかなか頑張っているのはよくわかる。
ラストはなんだか大怪獣ガメラみたいな展開になってあまりのご都合主義で笑えたがエンターテイメントと言う意味ではハリウッド映画らしいのだろう。
とにかくドラッグはやっちゃいけない、と痛いほど理解できたコカイン・ベアだった。