『おくりびと』などの脚本を手掛けた小山薫堂が提唱する「湯道」をテーマに描くヒューマンドラマ。
とある銭湯を舞台に、都会から実家に舞い戻った兄、彼と犬猿の仲の弟、そして彼らを取り巻く人々を映し出す。
『HERO』シリーズなどの鈴木雅之がメガホンを取り、小山が企画などを手掛けている。
『友罪』などの生田斗真と『偉大なる、しゅららぼん』などの濱田岳が兄弟を演じ、『バイオレンスアクション』などの橋本環奈、戸田恵子、寺島進らが出演している。
建築家の三浦史朗(生田斗真)が、「まるきん温泉」を営む実家にある日突然戻ってくる。
彼は亡き父が遺(のこ)した銭湯を切り盛りする弟の悟朗(濱田岳)に、古ぼけた銭湯をマンションに建て替えると伝えるために帰省したのだった。
ある日、悟朗が入院することになり、銭湯で働く秋山いづみ(橋本環奈)の助言もあって、弟の代わりに史朗が店主を数日務めることになる。
生田斗真主演の「風呂」をテーマにした作品。
風呂をテーマってちょっと前は映画テルマエロマエ、最近じゃ戸次重幸のドラマとかで見たことはあるが、なんと言っても何年前に放送された「サ道」はサウナブームを巻き起こした事が記憶に新しい。
タイトル的にそのサ道をモジッて湯道にしたんじゃないかと推察される。
サ道は実際に現存するサウナ施設の紹介を兼ねたような半分ドキュメントみたいな内容だったが映画にするとなるとこの手は使えないのでどうするのか興味があった。
ノスタルジックな昔の銭湯を舞台に作品が始まってから15分くらいで大まかなストーリーが予想できてしまう(笑)
本筋だけだとあっという間に終わってしまうので枝葉を付けたサブストーリーで時間つぶしがかなり多いのがわかってしまう。
風呂屋を舞台にした作品と言えばガキの頃テレビであった「時間ですよ」が色んな意味で印象深かったがさすがにイマドキ風呂屋だからとヌードがバンバン出るってことはない(泣)
戸次重幸はやたらめったら裸になるドラマで程よく鍛えた身体で見栄えがしたが生田斗真はガリガリ(脇役の厚切りジェイソンの方がええ身体してる)でココらへんはキャスティングなんとかならんかったんかと思わないでもない。
とにかく本筋と関係ない尺の引っ張りがあからさま過ぎて、なんだか中身スカスカな時間のムダ映画を見させられているみたいで辛い。
伊丹十三監督の映画タンポポのパロディだけは念が入っていて笑えたがその他の小ネタはイマイチパットしないしあまり面白くもない。
本筋自体は悪くはないのだが2時間の映画にするにはムリがあってとにかく要らないシーンが多過ぎてもったいない気がする。
テレビ局主導で作る日本映画の悪い部分が如実に現れてまだこんな事やってるんだと苦笑いさせてもらった。
素材と着眼点は決して悪くないがいかにもテレビ的な題材をどうにか引っ張って映画にするという手法はもうそろそろやめたほうがええんじゃないか。
実はこの作品は劇場に行こうかと思って計画したがテレビ局が作ってると知って辞めたのだが大正解だった、湯道だった。
それでも久しぶりに銭湯行きたくなった(笑)