実話を基にしたデイヴィッド・グランの「花殺し月の殺人--インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を実写化したサスペンス。
石油を採掘したアメリカ先住民の部族から富を奪おうとたくらむ白人たちの姿を、ある男女の恋を絡めながら描く。
監督は『沈黙 -サイレンス-』などのマーティン・スコセッシ。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などでスコセッシ監督と組んできたレオナルド・ディカプリオのほか、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンらが出演する。
先住民族のオーセージ族は、石油を掘り当てて莫大な富を得るが、その財産を狙う白人たちが彼らに近づく。
白人たちはオーセージ族を言葉巧みに操っては財産を次々と取り上げ、やがて命までも奪っていく。
悪事が加速していく中、オクラホマを訪れたアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)は、オーセージ族の女性モーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)と出会って恋に落ちる。
アップルTVの映画のようでレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロが出演しているだけでトンデモない制作費だろうと想像される。
なんと3時間半もある上映時間は劇場だったら途中休憩が欲しいくらいだ。
コレだけの長さになると字幕だとツライので日本語吹き替え版で観た。
アメリカの歴史なんて知らないので石油絡みインディアンが富豪のだったなんて全く知らなかった。
子供の頃に観たアメリカの西部劇ドラマでは敵はインディアンだったが、今となっては新大陸であるアメリカを白人が先住人インディアンから侵略する様を描いていたのだろう。
この作品ではそういう暴力によるものではなく静かにインディアンの利権を奪い取って行く。
主人公はインディアンの女性と結婚するが他にもそういうカップルがいてある意味政略結婚のようなものだろう。
コレはアメリカの黒歴史のようなものだがそれを真っ向から描いているが、政治色が強くしかも上映時間が長いので観てるのはなかなかに退屈だ。
ただ物語はだんだんゴッドファーザーのような展開になりかなりドロドロとした凄惨な裏があることがわかってくる。
タイトルのキラーズ・オブ・ザ・フラワームーンは直訳で『花殺し月の殺人』となるが、4月に咲いた小さな花が5月に生えてきた大きな草や花によって駆逐されてしまうので、インディアンであるオセージ族は5月をフラワー・キラー・ムーン、花殺し月と呼ぶのが由来だ。
この作品は利権絡みのインディアン連続怪死事件とそれを発端にしたFBIの誕生が描かれる。
ただいくら何でもとにかく長く間延びしたシーンもけっこうあってダラダラした印象があり観ているのは修行だ(笑)
ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオは共に極悪人で徐々に追い詰められていく。
もう少しストーリーに抑揚をつけてくれたら良いのにと思うし展開が遅いので後半はジッと我慢して、残り時間ばかり気になってしまった。
最後は苦手なリーガルドラマになって辛さに拍車がかかる(泣)
終わった時は、やれやれやっと開放された思ったし観てるだけなのに疲れてしまった。
申し訳ないが自分には何が面白いのかわからなかったキラーズ・オブ・ザ・フラワームーンだった。
どうもデュカプリオの映画は全体に肌に合わない(笑)