らをた広島

食べ歩きブログ

トライアンフ・ボンネビルSE

ぼん1
トライアンフ・ボンネビルSEに試乗させてもらった。
そのそもこのトライアンフ・ボンネビルってバイク、ひとことで言ってしまえばノスタルジックタイプ(旧車風)バイク。
そのカッコからしカワサキ・W800のライバルであるのだろうがカワサキ・W800が850,500円なのに対してボンネビルは112万3,500円、その高級仕様であるボンネビルSEに至っては1,144,500円となり高額な設定になっている。
ぼん2
ここがそもそもの疑問だったトコなのだがSOHCエンジンのダブルに対してDOHCのボンネビルだからにしちゃ価格差がありすぎてダブルはオトクみたいな思いがしていた。
自分は過去にカワサキ・W800に試乗した経験があるがなんともつかみ所のないバイクで古くさいカッコ以外の取り柄を見いだせなかった。
躍動感や鼓動感の乏しいエンジンにプアな車体とブレーキ。
いくらカワサキファンだとしても値段なりのポンコツバイクって思ってしまったからこのボンネビルも勝手にその範疇に放り込んでしまっていたのだった。
そんな時にこのトライアンフ・ボンネビルに試乗できるまたとないチャンスを貰った。
ぼん3
トラディショナルなスポークホイールから、前後17インチのキャストホイールへと装いを変えた新しいボンネビル。前モデルに比べシート高が24mm下がり、足着き性も向上した。
■エンジン型式 = 空冷4ストロークDOHC並列2気筒360°クランク
■総排気量 = 865cc
■ボア×ストローク = 90.0×68.0mm
■最高出力 = 50kW[68PS]/7,500rpm
■最大トルク = 69N・m /5,800rpm
トランスミッション = 5速式リターン
■サイズ = 全長2,144×全幅748×全高1,100mm
■シート高 = 751mm
ホイールベース = 1,454mm
■乾燥重量 = 200kg
■タンク容量 = 16.0L
■Fタイヤサイズ = 110/70R 17
■Rタイヤサイズ = 130/80R 17

以前のボンネビルはフロントに19インチのスポークホイルだったらしいが現行は17インチのキャストホイルに変更されている。
その理由は回頭性能向上ではなくシート高751ミリを実現する為らしい。
シート高751ミリってよく考えてみたら凄い数字を叩き出しているもんだ。
シート高が低いので有名なヤマハ・セローの810ミリを軽く越えてカワサキ・W800の790ミリは相手にならずホンダ・CB1100の765ミリ、ホンダ・CB400の755ミリにも勝つこの数字はコテコテアメリカン以外だともっとも低い部類の数字と言える。
ぼん5
たしかにこれの為にホイルを小径化したのならば強力な武器になり得る。
実際に跨がってみると両足べったりで小柄な女性でもなんとかなるかもしれない。
オーナーの2割が女性ライダーというのも大いに頷ける。
キャブレター風にデザインされているがこれはインジェクション仕様。
だから旧車然としたみかけに寄らず始動性は問題ない。
このバイクはサイレンサーが交換してあるようでとってもいい音がする。
重量200キロってことだがらカワサキ・W800より10キロ以上軽量ってことになるのだが実際に取り回しとかは軽く感じる。
まあカワサキ・1400GTRにのってりゃどんなバイクも軽量に感じるのだが・・・
ギアをローにいれて走り出すととことこ低回転で景色を楽しみながらって性格のエンジンじゃないことが理解できる。
言っちゃ悪いが眠いだけのW800エンジンとはベツモノだ。
Wの773ccに対してボンネビルが865ccもあるからだけじゃない。
味付けが明らかにスポーティーな方向に振ってあるのがよくわかる。
ぼん4
高回転(7000rpm)レッドのタコメーターまできっちりと淀みなく吹け上がるそのエンジンは日本製のようなストレスフリーのモーターのような精密さや緻密さを感じさせるものとは違って鼓動や振動を伴ったどちらかといえば生命感に溢れた独得なモノ。
うまく言えないがスパッと切れる日本刀のようなキレ味ではなく青竜刀で豪快にぶった切るキレ味みたいなそんな痛快さがある。
故意にこういう味付けにしたのだったらトライアンフのエンジニアは遊び心があってバイクの面白さをよくわかっていると思う。
ぼんんうぇ1
軽い車体と細いタイヤ、それにスポーツ心くすぐるエンジンでひらりひらりとコーナーを抜けていくのはオートバイの持つ根源的な面白さを教えてくれるという貴重な体験ができる。
今となっては懐かしいスチールダブルクレードルフレームであはるが至る所に補強がいれてあり旧車によくある高速コーナリング中にぐにゃぐにゃ身をよじるような剛性不足とは無縁だ。
だけどここでネガになってくるはシート高を下げるために犠牲になってしまったとも言えるリアサスペンションのプアさ。
フロントが落ち着いているから自分のようなオフロード経験者には怖さにならないが一般的にはある程度腕のあるライダーならすぐにリアサスをもっと強化したくなるだろう。
だけどこのトライアンフ・ボンネビルSE、率直な感想はエキサイティングだった。
カワサキ・W800とは似てるが完全に別のベクトルをもったバイクと言い切れる。
カワサキ・W800がノスタルジックなスタイルを持ったホントにノスタルジックバイクだとしたらトライアンフ・ボンネビルSEはノスタルジックなスタイルに最新技術を覆い隠したスポーツバイクということになる。
これなら値段が張るのもその走りと各部の質感からじゅうぶんに理解できるし1400GTRの大きさと重さが手に余るようになったらコイツに乗るのも悪くないとすら思った。