
凄まじいど田舎の国道沿いにある麺屋 藤。
まわりに何もないって意味ではわかりやすいっちゃわかりやすい立地。


実は大学生の息子と連休を利用して四国タンデムツーリングしているのだが快晴の徳島市から小松島市までは良かったのだが195号線にはいったくらいから突然雲行きが怪しくなってこの店まであと4kmの場所で土砂降りに遭遇し足止めを喰ってしまった。


30分くらいで今度は急激に天候回復し今度はピーカンときたもんだ(笑)
そのおかげで昼営業終わりぎりぎりくらいに店についた。


それなのにまだまだ店内は客で溢れていてノートに順番を書いて待たなければならなかったのはちょっと凄い。
その雰囲気はなんだか蕎麦屋かうどん屋のようでもしかしたらこの店舗はかつてその手のお店だったのかもしれない。
食べログで徳島県ラーメン1位の得点を叩きだしているとはいえどんだけの人気店なのだろうと期待に胸が膨らむ。


「東京らぅめん」の店と看板に書いてあったのでこうなるとやっぱり醬油らぁめんを食べてみないといけんぢゃろ?
息子はメニュー筆頭の法則に従ってダシに拘る醬油らぁめん680円。
「あっさりにはワケがある!
9時間じっくり煮込んだ鶏ガラスープに利尻昆布・宗田節・煮干し2種・干しエビやアサリなどの天然素材から旨味を抽出!
科学調味料を使わない本物の味をお楽しみください。」
ちょっといただいたが醬油控えめだけでどダシの複雑さと上品さはどうだ!
隠し味に柚子が使われているのを息子が発見してビビっていた。

黒醬油らぁめん710円。
「四種の醬油を使った馴染みの濃い味。
当店三大看板のひとつ黒醬油らぁめん。
新たに焦がしねぎ・背油を入れ味に深みを満たせました。
香り高いこだわりの醬油をご堪能ください。」
さっきの醬油らぁめんがあっさりだというなら確かにこっちは醬油がガツンとくるがあくまでも上品にそして強く「和」を感じることになる。

麺は手もみ麺のようでしっかりコシがあるタイプ。
これまでの徳島ラーメンとは完全に一線を画するデキだ。


だがなんといってもこの黒醬油スープこそこのラーメンの主役であるのだがさっきの醬油らぁめんと比較しても明らかに味のベクトルが異なっておりしかもその一瞬の隙も感じられない仕上げ方は見事というしかない。
東京ラーメンをベースに和風テイストを盛り込んだ富山ブラック的スパイスを絡めてるといえばいいのかよくわからないがどこまでいっても上品さを失わないのも素晴らしい。

さらに感心したのはこのぶっとくてでかいチャーシューで敢えて力強さを抑制させることでこのスープにマッチングさせておられるのが自分のような者でも理解できる。


焦がしねぎの微妙な苦味が程よいアクセントになっているのは間違いないが通常のネギのシャキシャキ感との対比が絶妙であれこれいちいち感動させてもらうのに忙しい。


う~~んこれには完全にノックアウトされてしまった。
まさか徳島から高知へ向かう道中のこんな山中でこれほど洗練されたラーメンに出会った衝撃ったらちょっとない。
おそらくはここの大将は関東のそういう店で修行されたのだろうがどうしてこんなど田舎に店を構えたのだろう?

当然ながらクルマでしか来ることはできないから駐車場はたっくさんあるがこれだけの腕があったら大都会のど真ん中でもじゅうぶんに通用するのは間違いない。
いやいやおそらく生涯忘れられない体験ができたので嬉しいがまた来るとなると遠いし難儀ではある。
だけど絶対に自分はココを再訪するだろうな~と思いつつ店を後にした。