運転中のささいなトラブルが思いも寄らぬ事態へと発展するサスペンススリラー。
信号で言い合いになった見知らぬ男から、執拗(しつよう)に追跡されるシングルマザーの恐怖を描く。
あおり運転をエスカレートさせる謎の男をオスカー俳優ラッセル・クロウが演じ、『スロウ・ウェスト』などのカレン・ピストリアス、『チャイルド・プレイ』などのガブリエル・ベイトマンのほか、ジミ・シンプソン、オースティン・マッケンジーらが出演。
『幸せがおカネで買えるワケ』などのデリック・ボルテがメガホンを取った。
寝坊した美容師のレイチェル(カレン・ピストリアス)は、息子のカイル(ガブリエル・ベイトマン)を学校へ送りながら職場に向かう途中、大渋滞に巻き込まれてしまう。
いら立つ彼女は、信号が青になっても発進しない前の車にクラクションを鳴らして追い越すと、ドライバーの男(ラッセル・クロウ)は後をつけてきて謝罪を要求する。
彼女がそれを拒否し、息子を学校に送り届けガソリンスタンドに寄ると、先ほどの男に尾行されていることに気付く。
やがて、レイチェルは男の狂信的な行動に追い詰められていく。
さすがはオスカー俳優ラッセル・クロウが悪役やってるがこれが半端なく怖い。
まあ彼の怖さがこの映画の真骨頂でもあるから大事な要素ではあるがまたラッセル・クロウの乗ってるクルマも厳つくて怖い。
それに犯罪大国アメリカだとこういう手合が本当に居てそうだから余計に怖いわ。
緊迫感のあるシーンの連続でしかも1時間半という短い上映時間で畳み掛けるように展開する上質なスリラー。
確かにラッセル・クロウ扮する変質者はやりすぎだが主役の女性の時間にルーズな点が引き起こしたのもまた事実でここらへんの描き方も上手い。
最初から最後まで張り詰めた緊迫感の演出は見事でとにかく一瞬も息もつかせない。
ラッセル・クロウが怖すぎて短い映画が余計に短く感じてあっという間に終わってしまった印象がある。
欲を言えば悪役ラッセル・クロウのバックボーンをもう少し丁寧に描いて欲しかったのとラストがよくある肉弾戦になつて単調になったのがやや残念だったがトータルとしてはよく出来ていて面白かった「アオラレ」だった。
無闇にクラクション鳴らさんとこう。