『ザ・マスター』『ビューティフル・デイ』などのホアキン・フェニックスが、DCコミックスの悪役ジョーカーを演じたドラマ。
大道芸人だった男が、さまざまな要因から巨悪に変貌する。
『ハングオーバー』シリーズなどのトッド・フィリップスがメガホンを取り、オスカー俳優ロバート・デ・ニーロらが共演。
『ザ・ファイター』などのスコット・シルヴァーがフィリップス監督と共に脚本を担当した。
孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。
ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。
そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。
去年話題になった映画と聞いて観た。
ロバート・デ・ニーロが出てる時点でかなりの制作費がかかっていることが伺える。
それにしてもジョーカーを演じる主演のホアキン・フェニックスの異様に気持ち悪く狂気の演技に思い切り引き込まれる。
決して明るく楽しい内容ではなくどちらかと言えば暗くて重い展開だけどそれでもこれだけ説得力があれば集中できる。
売れないピエロ芸人が悪党ジョーカーになるまでを描いているのだがリアリティもかなりあってDCコミック映画と言うより立派なスリラー作品に仕上がっている。
これほどの強烈な表現はさすがはハリウッド映画の真骨頂で演出も音楽も素晴らしい。
今年の第92回アカデミー賞で最多11部門ノミネートされたそうだがこれだけダークな映画が評価されるのも珍しいんじゃないか。
ラスト近くクライマックスで流れるクリームの名曲ホワイトルームの選曲にこの監督特有のセンスを感じてしまった。
辛坊治郎がラジオで「人によって絶賛か理解不能か極端に評価が分かれる作品」だと話していたが自分にとっては見終わったあとに心にドスンと来るものがあり、話題になるだけのインパクトがあったジョーカーだった。