家庭にも職場にも居場所のない平凡な中年男の覚醒を描いたアクション。
ある出来事をきっかけにロシアンマフィアとの激闘に巻き込まれていく主人公を、ドラマシリーズ「ベター・コール・ソウル」などのボブ・オデンカークが演じる。
共演には『ある愛の風景』などのコニー・ニールセン、『アイアン・フィスト』シリーズなどのRZAのほか、マイケル・アイアンサイド、クリストファー・ロイドらが集結。
『ハードコア』などのイリヤ・ナイシュラーが監督、『ジョン・ウィック』シリーズなどのデレク・コルスタッドが脚本を務めた。
さえない中年男のハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は、職場では実力が評価されず、家族からも頼りない父親として扱われていた。
ある夜、自宅に強盗が押し入るも暴力を恐れた彼は反撃できず、家族に失望され、同じ職場の義弟にもばかにされる。
鬱憤(うっぷん)を溜め込んだハッチは、路線バスで出くわした不良たちの挑発にキレて連中をたたきのめす。
この事件をきっかけに、彼は謎の武装集団やロシアンマフィアから命を狙われてしまう。
「ブレイキング・バッド」のシーズン2に弁護士ソウル・グッドマンとして登場してその後スピンオフ「ベター・コール・ソウル」では6シーズンに渡り主演を務めていたボブ・オデンカーク出演作品。
ソウル・グッドマンとは全然違う役柄に同じ人物とは思えない程だ。
特にアクションシーンは凄まじくリアルで思わず引き込まれる。
敵役は屈強なロシア人5人でこれをたった一人で病院送りにしてしまうなんてランボー並みだがそれを普段は冴えない中年がやってのけるなんて何処となく必殺仕事人の中村主水みたいだ。
主人公の素性がわからないままトンデモ戦闘力を発揮しゲリラ戦を勝ち抜く様はまさにランボーでアクションもだけど展開が早くて面白い。
要所要所だけに印象的に音楽がセンス良くつけられていてこの監督さんの能力が伺える。
あまり期待しないで観たのだがこれは現代のランボーだ。
それも原作に近い1作目のランボーに匹敵するくらいの凄まじくリベンジ劇に刮目したまま固まってしまった。
1時間半と短い上映時間ながら1秒のムダなシーンもなく濃密な映像が展開する。
あの胡散臭かったソウル弁護士とは真逆のカッコ良さにホンマに見惚れてしまった。
最後はハリウッド映画らしくドカーンととんでもない事になるのだがこれは間違いないなく2021年観た映画で一番面白かった。
強烈にオススメできる痛快な1本。