栃木県日光市を舞台に、女子アイスホッケーを題材としたオリジナル作品。
日光市に本拠を置くアイスホッケーチーム、ドリームモンキーズ。
そのドリームモンキーズが開催する体験教室の門を叩いたのは、地元に住む中学生、水沢愛佳と彼女に強引に誘われた妹の水沢彩佳、幼馴染みの柳田薫子と小野真美。同じ参加者には鷺沼梨子と高木尚実の姿もあった。
練習後、皆はすっかりアイスホッケーに魅せられてしまい「来週も参加しようよ」と言うまでになっていた。やがて監督の松永羊子から誘われて、愛佳、彩佳、薫子、そして梨子と尚実はドリームモンキーズに正式に所属することになる。
「心の絆でパックをつなげっ!」を合言葉に、大会に臨む愛佳達ドリームモンキーズ。
果たして、その結果は!?
これは少女達の、汗と涙の成長物語なのである。
アニマックスで12話まとめて放送していたので観た。
自分は学生時代にアイスホッケー部に入っていたのでアイスホッケーを題材にする作品と聞いて内容も知らずにいきなり全話観た。
アイスホッケーはドマイナースポーツだが女子アイスホッケーはオリンピックにも出場したくらいで、それなりに説得力がある作品とも言える。
刺繍部の女子たちが皆、アイスホッケーを始めるなんて相当にムリばあるがまあこれはさておき、普通はあの重い防具とシューズ履いて動くのもやっとなのだが、ソコソコプレー出来るのもさすがはアニメ。
特にゴールキーパーはシューズも違うし防具は死ぬほど重いしちょっとやそっとではプレー出来ないんだけどな(笑)
昨今のアニメ同様にCGを駆使した映像は驚くほどキレイで目を奪われる。
ただ内容はアイスホッケーの魅力を伝えているかと言えばかなり薄味でもっと言えば軽薄でペラペラだ。
それにこのアニメのターゲットと言うかどの層に見て欲しいのかよくわからん。
出てくるのは美少女だけどやってるのはアイスホッケーというのがミソなのだらうが、「けいおん!」「ばくおん!!」「ゆるキャン△」とかのオッサン趣味を美少女にヤラせるパターンなのはわかるが、ヲタク向けなんだろうか?
初心者軍団に他からやさぐれた全日本クラスが改心して加入して強くなるなんてベッタベタな展開に苦笑いしながらどうにか脱落しないで踏みとどまった。
スポーツ漫画の王道と言えばやはりスラムダンクで多かれ少なかれ影響は受けているだろうが、このアニメには泣き笑いと、努力の過程の表現が足らないからどうしても軽薄に見えてしまう。
女子アイスホッケーは男子と違ってボディチェックが反則になるみたいだから特にディフェンスはどうやるのかわからないが、よりハンドリングにテクニックが求められるように思う。
劇中で試合で足首を痛めるシーンがあるが通常のアイスホッケーシューズを履いていればガチガチに固められていて足首はまず傷めないのでココらへんはホントに取材したのかと思う。
実際のアイスホッケーは防具を着て汗だくでやってるので剣道の防具と同じく凄まじいニオイが漂うのだがさすがにこのネガは描けないだろう。
それにアイスホッケーがこの手のアニメや映画に向かない一因として、フォワード・ディフェンスとも3セット程度の選手がのべつまくなしにメンバーチェンジを無制限に繰り返されるので特定の主人公を描きにくい。
その点、このアニメは新人メンバーの他の部員は途中「なかった事」にしてまるで6人しかチームにいない事で乗り切ろうとしているのだがさすがにソレはムリがある。
全部の登場人物を良い人として描こうとしているのかライバルや悪役がまるで居ないのは最大の泣き所と言うかこの作品をつまらなくしてしまっていると思われる。
まあ以前に増してドマイナーな競技のアイスホッケーが少しでも注目されるのならそれで良いとも思うがそれ以前にどうして人気がないのかを考えた方が良いんじゃないかとも思う。
普通、こういうスポーツモノは試合をメインに展開するものだがこの作品は試合は最小限にしてそれ以外をメインにしている時点で競技はアイスホッケーじゃなくても成立してしまうので共感を得られないのだろう。
自分もかじっていたアイスホッケーだけにかなり期待して観たのだが結局、最後が最後まで何が伝えたいのかわからなかったし、誰に見せたいアニメなのかサッパリわからず残念ながら全く響かなかったプラオレ!~PRIDE OF ORANGE~だった。