ハリソン・フォードが考古学者の冒険家を演じる『インディ・ジョーンズ』シリーズで、宇宙開発競争が盛んだった1969年を舞台に繰り広げられるアクションアドベンチャー。
アメリカとロシアの間で陰謀を企てるナチスの残党を阻止すべく、インディ・ジョーンズが立ち上がる。
これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグはジョージ・ルーカスと共に製作総指揮、『フォードvsフェラーリ』などのジェームズ・マンゴールドが監督を担当。
フィービー・ウォーラー=ブリッジやジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセンなどが共演する。
第2次世界大戦末期。考古学者のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)らは手にした者が神になるほどの力を秘めるダイヤル“アンティキティラ”をめぐり、ナチス・ドイツの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と格闘する。
そして1969年、インディの前にかつての仲間であるバジル・ショーの娘ヘレナ・ショー(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)と、フォラーが現れる。
かのインディージョーンズシリーズの最新作にてハリソン・フォードはこれでインディージョーンズを卒業すると言われている。
冒頭からCGで若くなったハリソン・フォードが登場するがやはり少しだけが不自然に見える。
だがこの技術がどんどん進化すると実際演じている俳優が誰であっても他の俳優に後から好きなだけ変更出来そうでちょっと怖いような気もする。
相変わらずナチス・ドイツは徹底的にワルモノに描かれているがそれでもあのお馴染みのインディージョーンズのテーマ曲がかかるとやはり心躍るものがある。
相変わらず常にユーモアのセンス溢れるシーンが多くてなんだかんだとハラハラしながら笑えるのはインディージョーンズシリーズの特徴ではある。
本業が考古学者って設定はちょっと無理はあるが現代でなく昔だと言うことで一応の説得力がある。
インディージョーンズと言えば帽子にムチがトレードマークだが今回も遺憾なく発揮される。
途中から普通のハリソン・フォードになるのだが御年81歳とは思えないほど若々しくて体を張って頑張っておられるのが印象的だ。
舞台は1969年だがその時代の町並みやクルマを集めて徹底してそれらしくしているのはやはりハリウッド映画で流石だ。
今回も元祖ジェットコースタームービーの名に恥じないトゥクトゥクを駆使したドタバタアクションは健在でソレが何時も何処かコミカルで笑わせてくれる。
海底に潜るシーンはどうやって撮影しているのかわからないが生々しくリアルでウツボかウナギが襲ってくるのが恐ろしい。
何時もながら悪役はキャラがバシッと立っていていちいち憎らしい演技と演出でこの作品をグッと盛り上げてくれている。
リアエンジンの昔のチンクエチェントが少しだけ登場するが相当古いクルマなのによくこんなコンディションを保たせてるもんだ。
2時間35分もある上映時間だが畳み掛ける冒険劇にあっという間に時間が過ぎ去ってしまった。
後半はインディージョーンズシリーズお得意の洞窟探検になるがこの作品以降もこの手の冒険劇は見慣れているから目新しさはない。
今度のインディージョーンズ映画はSFだ、との評価を読んだ事があるがずっとその意味がわからなかったが終盤になってやっとその意味が理解できた。
肩を撃たれた80歳のインディージョーンズがやたらめったら元気なのはアレだしラストにかけてストーリーはどんどん荒唐無稽にはなるけど、まあ元々インディージョーンズシリーズってのは代々こんな感じだったからそれほど違和感はない。
トータルとしては古くからのインディージョーンズファンは納得出来るデキだったと思うが新規ファンの取り込みと言う意味ではあまり目新しさはなかったんじゃないかと思わせてくれたインディ・ジョーンズと運命のダイヤルだった。