らをた広島

食べ歩きブログ

PERFECT DAYS

『世界の涯ての鼓動』などのヴィム・ヴェンダース監督と、『ファミリア』などの役所広司が組んだヒューマンドラマ。
東京・渋谷の公衆トイレ清掃員の何げない日常を映し出す。

スラッカーズ』などの柄本時生のほか、麻生祐未石川さゆり田中泯三浦友和らがキャストに名を連ねる。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)は、変化に乏しいながらも充実した日々を送っていた。
同じような日々を繰り返すだけのように見えるものの、彼にとっては毎日が新鮮で小さな喜びに満ちている。
古本の文庫を読むことと、フィルムカメラで木々を撮影するのが趣味の平山は、いつも小さなカメラを持ち歩いていた。

日本が舞台で日本語を話す日本人俳優が出演していて日本人の日常を描いた映画だが監督がドイツ人と言う異色の作品。

主演は役所広司カンヌ国際映画祭で賞を獲ったらしい。

冒頭から役所広司の日常が淡々と描かれるがセリフはほとんどなくまるでドキュメンタリーのような独特な雰囲気が漂う。

主演の役所広司はほぼ喋らず表情と仕草だけで表現しようとしていてかなり個性的な作品であることは間違いないだろう。

主人公は公衆トイレの清掃員なのだが東京には見た事もないようなユニークなトイレが沢山ある事に驚いたが、この作品自体がそれらトイレの品評会みたいだ(笑)

普段はあまり意識した事はないがこう言う地味な仕事をしている人達のお陰で公衆トイレはキレイに保たれているのを忘れちゃいけないような気がした。

似たようなルーティンの繰り返しの日々は誰だってそうだし、その中に僅かで密かな楽しみを見つける喜びみたいな事を伝えたいのか。

ちょっと残念なのは世代が違うのか劇中に幾つも流れるBGMがどれもこれもさっぱりわからなくてイマイチ感情移入出来なかった。

驚いたのは今どき、昔のフィルムを現像してくれる店がまだある事で、デジタルカメラスマホに押されて絶滅したとばかり思っていた。

ドイツ人監督さんの作品なのに描かれるのは昭和の香りがする昔の日本映画みたいでココらへんは意図的なのかわからないが、何処となく懐かしい雰囲気に満ちている。

後半何の脈絡もなく出てくる「ニコ」という若い女の子が誰なのかわからなくて混乱したが、コレが益々昭和の日本映画感を増幅させてくれる。

淡々とした日常でこの主人公がどういう人間なのか徐々に明らかになっていくのだが確かに非常に興味深い。

後半に三浦友和が重要な役で出るが若い頃は男前なだけで演技がアレで見ていられなかったが今じゃ役所広司と対等に渡り合える程の役者になっていて感動した。

ただエンターテイメントとして起承転結がハッキリとはしない内容である事は盛り上がりに欠けていて、サビのない歌みたいな感じは拭えない。

個性的であることは認めるが個人的には哲学過ぎて面白いとは思えなかったPERFECT DAYSだった。