『マシュー・クワーク』の小説が原作。
FBI捜査官『ピーター』の任務は夜間、緊急電話に対応するだけの地味な仕事だった。
しかし、ホワイトハウスの地下で鳴ることのない緊急電話1本に応答したことをきっかけに、ピーターはホワイトハウスに潜むスパイをめぐる恐ろしい陰謀に巻き込まれてゆく、、
アメリカ政府の最高レベルにいるロシアの二重スパイをめぐる巨大な陰謀に巻き込まれたFBI捜査官が、国を救うために裏切り者を捜査するアクションスリラー。
あのトゥエンティーフォーと同じジャンルのドラマらしいので観た。
ネットフリックスで1話50分程度で全10話。
まさにノンストップアクションで冒頭から爆弾テロに家に殺し屋にカーチェイスでの銃撃戦ととにかくてんこ盛りでこちらの期待に応えてくれる。
FBI副長官の役でロバートパトリックが出ているがこの人ってターミネーター2のあのT-1000やっていた役者さんで最近の映画やドラマでもよく見かけるが売れっ子のようだ。
主演はガブリエルバッソという若い俳優さんでさすがに見たことはないがこれだけ若ければシリーズ化されても当分大丈夫だろう(笑)
内容は実際、名作トゥエンティーフォーの初期の頃によく似ていて陰謀が渦巻いて誰が信用できて誰が裏切り者なのかわからないのでアクションだけではなく登場人物同士の駆け引きが面白い。
そもそも主人公がただ電話番してるだけの閑職に飛ばされていたのが気になるがコレがこの物語の根幹になるような気がする。
キャストはいきなり大人数がドカドカ登場するのではなく徐々に増えていくのでオッサンには助かる(笑)
その中に何処かで見た事がある黒人俳優さんがいて、歳を取っていたのでわからなかったが間違いなくトゥエンティーフォーでパーマー大統領の弟のウェイン・パーマーを演じていたD・B・ウッドサイドだった。
基本的に場所を転々とするいわゆるロードムービーのような展開になっていくのだがとにかく主人公たちの情報はダダ漏れなのに誰が裏切り者なのかサッパリわからん(笑)
ただ中盤になるとドラマは落ち着いてアクションとかはほぼなくなってしまい、ややドラマ特有の「引っ張り」に入っていることがわかる。
このドラマの特徴は追われる側はもちろんなのだが追う方の悪役二人にもスポットが当てられてある程度描いている事だ。
ホワイトハウスの上層部にラスボスがいるのもトゥエンティーフォーによく似ているしその家族が陰謀に巻き込まれていくのも同様だ。
主役の二人が移動に使っているのはスバルのクルマだが、アメリカのドラマでスバルが使われるのはあまり見た事がない。
スポンサーとの兼ね合いもあるのかわからないがかかり珍しいケースだろう。
トゥエンティーフォーとよく似ていても主人公のピーター・サザーランドはジャック・バウワーのように超人的ではなくごく普通の捜査官として描かれている。
もちろん、ドラマならではのご都合主義のツッコミドコロもままあるのだが比較的リアリティのある展開をしているのが好ましい。
副大統領の若い頃のシーンにCGで若返り処理をしているのだがチョット前なら丸わかりだったがかなり精度が上がりよくよく見ないとわからないレベルになっているのは驚いた。
この技術がもっと進むとオールCGで実写と見分けがつかない映像まで作れてしまいそうだ。
ピーター・サザーランドは濡れ衣を着せられ追われる身になるのだがヨットに逃げ込むが、そのヨットが外から見た大きさと内部のサイズが合わず明らかに撮影しやすいようにキャビンが広すぎるのはご愛嬌だ(笑)
基本的に2つの陰謀が渦巻いて進行して行くのだがストーリーはそれ程難解ではないどころか、もう少しヒネっても良いんじゃないかと思うくらいだ。
トゥエンティーフォーでは常にアメリカ大統領がかなりクローズアップされてその権力と存在感は絶大だったがこのドラマの女性大統領はそうは描かれずおまけ的な扱いなのは政治的な思想でもあるんかと思った。
ラストの描き方もトゥエンティーフォーとよく似ていてハリウッド好みなのがよくわかるデキに納得できる。
公開されて直ぐに続編が決まったようだがこのクオリティならそうなるだろう。
今からその次回作を楽しみにしておきたいと思わせてくれたナイト・エージェントだった。