劇場版Infini-T Force ガッチャマン さらば友よ

2017年にタツノコプロが創立55周年を迎えたことを記念して制作された、テレビアニメ「Infini-T Force」の続編となる劇場版。

1970年代に人気を博したヒーロー作品「科学忍者隊ガッチャマン」「宇宙の騎士テッカマン」「破裏拳ポリマー」「新造人間キャシャーン」のキャラクターが新たな戦いに身を投じる姿を描く。

関智一、櫻井孝宏、鈴村健一、斉藤壮馬、茅野愛衣らテレビアニメ版のボイスキャストのほか、遠藤綾、鈴木一真、船越英一郎らが声優として参加する。
戦いを終えてそれぞれの場所へ戻ったガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンだったが、彼らと界堂笑は再びガッチャマンの世界で合流する。

その世界の様子に違和感を覚える彼らの前に現れた科学忍者隊の創設者・南部博士は、自らが彼らの敵であると告げる。

それを科学忍者隊のサブリーダー、コンドルのジョーがビルの上から見ていた。
タツノコプロ版アベンジャーズとでも言うべきかいろんなヒーローが一緒くたに出てくるフルCGアニメーション作品。 

これからのアニメはすべからくCG化していくべきで実際この手のフルCGアニメは以前からトライされてきた。 

そしてその課題はやはり人物をどう描くかに尽きる。
まあこの問題もいずれは解決されていくだろうがこの作品のキャラクターの表情は無機質でどうにも馴染めない。 

それ以外は非常にキレイで質感やモーションキャプチャーされたアクションも迫力もあるだけに余計に惜しい。
内容はInfini-T Forceを観ていないのでイマイチ理解出来ないがガッチャマンの世界観の中に他のキャラクターを混ぜ込んているので、テッカマン、ポリマーを知らないのでキャシャーンの軽さに違和感を感じてしまう。 

自分の知ってるキャシャーンはブライキングボスやヤルッツェブラッキン、フレンダーという今でも忘れようがない強烈なキーワードがスラスラ出てくる作品で、この映画に出てくるのとは明らかに違う。 

ま、何年か前にあった実写版キャシャーンよりは遥かにマシではあるのだが。 

一方ガッチャマンだとするならあのベルク・カッツェが出てくれないとそれらしくない。 

この作品では南部博士（声・船越英一郎、上手すぎる）が昨今流行りの老害スポーツ会長よろしくすっかり変わり果てて、凄まじい悪役として描かれる。 

最後にオチがあるのだがさすがに画面の美しさに見入ってしまった。 

トータルとしてはなかなかだと思うが世界観がわからないヒトにとってはここを理解するまではわけがわからん作品になっていまうのは残念だ。