らをた広島

食べ歩きブログ

星守る犬


DVDで観た。
西田敏行主演。
2011年の日本映画。
舞台は北海道名寄市
最初に初期型フォルクスワーゲンビートルがでてくる。
自分らが小学生の頃ボロクソワーゲンと揶揄されたあの名車である。
かつて絶壁みたいにまっ平らなフロントガラスをしたこれのセミオートマ仕様を親戚から借りて運転したことあるのを思い出した。
これがまたええ味だしている。
パッケージとかからなんせ感動作でお涙卓袱台!って泣かせ映画なんだろうと構えで見始めた。
タイトルからして犬の映画なんだけどハッピーって言う名の秋田犬がでてくる。
秋田犬ってデカいから実際にはなかなか飼えないけど映画にするならはやり秋田犬が一番画面映えするよなー。
その秋田犬を連れた西田敏行の足取りを名寄市職員が行きずりの家出美少女と追いかけて行くというお定まりのロードムービー
動物を使って泣かせる手法はフランダースの犬を筆頭に掃いて棄てるほど見てきたし鉄板のやり方だがいかをせん使い古しだし古典的すぎて興ざめだ。
それよりこの映画後半の主人公の生き様の表現は圧巻だ。
リストラから離婚、独りきりになり犬とともにさすらい歩く様はまさに人事でない悲壮で壮絶なリアリティがある。
自分だってそうなるかも知れない。
悲しみよりそんな変な現実味が感情を支配して全然泣けなかった。
この映画で最も感動したのはベテラン西田敏行の老獪な演技に対して一歩も引けを取らないこの秋田犬の演技力。
これには正直脱帽だ。
それにこの演技を導き出しサポートしたスタッフの苦労たるや筆舌に尽くしがたいだろうとそっちの感情で涙ぐんでしまった(笑)
日本犬はサーカスでも使われず麻薬探知犬や警察犬でも使われることがない事実が証明しているように芸なるものを仕込むのは至難の技だ。
うちにも日本犬は二匹いるが演技なんぞ微塵もできない(笑)
そんな気難しい日本犬をよくぞここまで使いこなせたものだ。
映画としてみると泣かせようとワザとらしく胡散臭いモノを感じて個人的には好きではないがトータルとしてはよく出来ていると思うがこれだけ豪華俳優をかき集めたんならもうひとヒネリがあればなーと残念さが残ってしまったのも事実だ。