「The New York Times Magazine」に掲載された実話をベースにしたヒューマンドラマ。
麻薬を運ぶ90歳の男に待ち受ける運命を描く。
監督と主演を務めるのは『ミリオンダラー・ベイビー』などのクリント・イーストウッド。
イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』などのブラッドリー・クーパー、『マトリックス』シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンらが共演する。
90歳のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、家族を二の次にして仕事一筋に生きてきたが、商売に失敗した果てに自宅を差し押さえられそうになる。
そのとき彼は、車で荷物を運ぶだけの仕事を持ち掛けられる。
それを引き受け、何の疑いも抱かずに積み荷を受け取っては運搬するアールだったが、荷物の中身は麻薬だった。
クリント・イーストウッドの監督主演新作と聞いて早速観た。
もう80歳後半だと言うのに精力的なその姿に感動すら覚える。
実話をベースにしているだけあってかなりリアリティがあって物語に強烈に引き込まれる。
主人公は運び屋だから当然クルマに乗ってるがフルサイズのピックアップトラックだ。
おそらくは全長5メートル超えのバカでかいボディで日本じゃ駐める場所すらないし使いにくい事、間違いないがさすがはアメリカ、まるでフツーのクルマみたいに扱われ、逆に使いやすそうにすら見える。
途中、トヨタ・プリウスが出てくるがアメリカでは日本の軽自動車みたいに使われ方なのだろう。
ストーリーは善良な一般人が知らず知らず犯罪に手を染めてみるみる大犯罪人になっていくといいう、いわばテレビドラマ・ブレイキング・バッドみたいな展開だ。
ひとりの老人のこれ迄の人生の後悔とその悲哀を描いているのだがクリント・イーストウッドはさすがの存在感だ。
特にラストのイーストウッドのシーンは意図的なお涙頂戴演出じゃないのに死ぬほど泣けてくる。
とにかく色々考えさせられる展開にあっという間の2時間だったが非常に印象深く心にドスンと来る凄い一本だった。