片岡義男の同名小説を、関本郁夫が脚色し大林宣彦が監督した青春映画。
主演の竹内力、原田貴和子ともに、この映画がデビュー作となる。
音楽大学に通う橋本巧(コオ)は、アルバイトでプレスライダーをしている。
恋人である冬美とうまくいっていないコオは、バイクでひとり旅に出た先で、白石美代子(ミーヨ)と出会う。
東京に戻ったコオは冬美と別れ、ミーヨと文通をしていた。
夏になるとミーヨのいる瀬戸内に出かけ、秋にはミーヨが東京へやってきた。
バイクに興味を持っていたミーヨはコオのバイクに乗るようになり、大型免許を取りたいと言い出した。
周囲の心配をよそにミーヨは、コオの750CCバイクに乗り姿を消してしまう。
解説には750ccとあるが映画のカワサキWⅢは確か650ccのバーチカルツインだったと思う(笑)
この映画は自分が大学生だった頃、野村宏伸主演のキャバレーと言う映画の同時上映で映画館で観た記憶がある。
当時はまだ中型免許しか持っていなかったので高嶺の花だった大型自動二輪の「ダブサン」が輝いて見えたもんだ。
今やコワモテ俳優で通ってる竹内力のデビュー作だったと思うがやむを得ないが演技力はシロウト同然だ。
この映画の影響で片岡義男の小説は読んだことはあるがええかっこしいのスカした文章と起承転結のない盛り上がりに欠けるストーリーは自分には合わなかった。
大林宣彦監督作品もあまり好みではないが、この作品も久しぶり観たが冒頭から「風を探して?」とか歯が浮くサブイボセリフ全開で、やはり今見てもリアリティがなさ過ぎてちょっとついて行けない部分もある(笑)
1986年公開なので40年近くも前の作品なので出ている役者さんも皆当然ながら若い。
三浦友和なんてちょうどこの頃、西部警察に出演していたのか髪型が角刈りだ(笑)
当時でもダブサンは既にマニア向けの旧車だったから今となってはまず見ることなんてない希少車だろう。
渡辺典子も久しぶりだがやはりこの映画のハイライトは原田知世の実姉である原田貴和子だろう。
あの頃は気にならなかったが今見たら竹内力は大した理由もないのにやたらめったら裸になっててこの辺りも大林宣彦監督の演出はよくわからない。
ただこの作品の雰囲気に400ほど小さくはなくリッターバイクほど巨大でもないクラシカルなダブサンはピタリとあっていてこの映画の影響でこの手のバイクに乗りたくなったヒトも多いんじゃなかろうか。
因みにカワサキダブルは650で再販され後に800になり今でも新車で購入出来る。
劇中にバイクでクルマのフェンダーミラーをスパナで叩き折るゲームみたいなのが出てくるがこんなの実際にやってるなんて聞いたこともないが何が面白いのか理解できない(笑)
主人公の友人はコレも懐かしいホンダの青タンクフォーワンだし、原田貴和子が乗っているのはホンダCB250RS-Zでこれは借りて乗ったことがある。
バイクも懐かしいがギャランΛなんて2ドアクーペみたいな奇天烈なクルマあったんだ(笑)
主人公の友人がウインクする気持ち悪いシーンは尾美としのりだとばかり思っていたが、尾美としのりはセリフもほとんどないちょい役で完全な記憶違いだった。
久しぶりに通して観たがやはり何が伝えたいのかよくわからん不思議な映画だった。