『アルキメデスの大戦』などの菅田将暉と、バンド「SEKAI NO OWARI」のメンバーで本作が俳優デビューとなるFukaseが共演するサスペンス。
悪を描けない漫画家が、偶然目撃した猟奇的な殺人犯を参考に漫画のキャラクターを生み出すも、それにより人生を翻弄(ほんろう)される。
原案・脚本を担当するのは、漫画原作者として「MASTERキートン」などを手掛けてきた長崎尚志。
漫画家のアシスタントをしている山城圭吾(菅田将暉)は、画力は高いが、お人好しな性格のためか悪役をリアルに描けない。
ある日、圭吾はスケッチに訪れた一軒家で、殺害された家族と犯人(Fukase)の顔を見てしまう。
圭吾は犯人をモデルにキャラクターを創り上げ、ついに売れっ子漫画家になるが、漫画をなぞるような事件が次々と発生。
そして、犯人の男が圭吾の前に現れる。
「SEKAI NO OWARI」のFukaseが映画デビューと言う事で話題になった作品。
漫画原作者の脚本らしく漫画家が主人公。
内容はサスペンスで世界観としてはなかなか面白い。
Fukaseは非常に重要な役柄をやっていてコレが俳優デビューとは思えない。
問題提起の前半のストーリーはまるで漫画のように展開が早くて引き込まれる。
ただ解決編たる後半は主人公をワルモノにしたくない思いが強いからか一気に凡庸になるって言うか先が読めてしまう。
後半は完全にFukaseが主役になりFukaseの為の映画になっているし展開にもかなりムリがあってリアリティが無くなって行くのが残念だ。
本来なら盛り上がっていくハズが完全に興ざめしてしまい残り時間が気になるようになってしまった。
ココらへんも日本映画が最後に思い切りドカーンと大きく弾ける韓国映画に負けている証左でもある。
世界観やキャラクター、着眼点は非常に面白いと思うがこれを映像化する時の監督さんの力量が足りないのか、後半のつまらなさが実に惜しかったキャラクターだった。