韓国ドラマ「Mine」は、世の中の偏見から抜け出して本当の自分ものを見つけていく強靭な女性たちを描いた作品。
全16話。Netflixで同時配信。
元女優でヒョウォングループ次男の妻ソ・ヒスを女優イ・ボヨンが、ヒスの夫ハン・ジヨンを俳優イ・ヒョヌク、ヒョウォングループ長男の妻チョン・ソヒョンを女優キム・ソヒョン、ヒスの息子ハジュンのシークレットチューターのカン・ジャギョンを女優オク・ジャヨン、ソヒョンの息子ハン・スヒョクをエン(VIXX)、ソヒョンにつくメイドでスヒョクと恋に落ちるキム・ユヨンを女優チョン・イソが演じる。
平穏なヒョウォングループに見慣れた二人の女性が入ってくる。
ヒス(イ・ボヨン)が選んだユヨン(チョン・イソ)はカデンツァで、ソヒョン(キム・ソヒョン)が選んだジャギョン(オク・ジャヨン)はルバートに向かう。
一方、晩餐でハン会長はヒョウォングループ代表の不正を伝え聞いて倒れてしまい、ヒョウォン家では次の代表選任を論議するが…。
ネットフリックスの韓国ドラマ。
1話60分とちょっとあって全16話もある。
最初はこのドラマのジャンルが皆目わからず観ようかどうしようか迷ってとりあえず1話だけと思っていた。
愛憎渦巻く上流階級の家族内に起こる物語でもしかして昼メロみたいなのかと思ったら殺人事件絡みのレッキとしたミステリーだったので観続ける事にした。
出てくる建物は驚くほど豪華でいわゆる多くの韓国ドラマに出てくる財閥グループのストーリーでおそらくは女性をターゲットにしているのか女同士のドロドロとした雰囲気に溢れている。
女性向けだとしてもオッサンでもかなり楽しめるのはとうしてなのか最初はわからなかったが途中からだんだんとわかってきた。
一つはやはり役者の力でこれはやはり相当なモノだと認めざるを得ない。
後はやはり脚本の面白さでこういう世界の女性たちの葛藤を上手く表現している。
韓国はキリスト教徒が多いと聞いたことがあるがこのドラマにもいわゆるシスターが出てくる。
この謎のシスターが物語に深く関与してくるんじゃないかと期待してしまう。
お笑い担当みたいな役者もキッチリいてコレが良いタイミングでお笑いをぶっ込んでくるのが効果的なスパイスになっていて見飽きない工夫が仕掛けてある。
一昔前、金妻と言う謎の不倫ドラマが大ブームになった事があるがソレがなぜあんなに流行ったのかこのドラマを観ていてわかったような気がする。
しかしまあ女同士のバチバチの火花飛ぶような視線のぶつかり合いをどの女優さんも見事に演じていてコレは確かにハマるドラマではある。
時節柄か韓国ドラマもLGBTを扱っていてココらへんはなるほどなーと思わせる。
どうやらこのドラマはボルボがバックアップしているようで出てくるクルマは尽くボルボだ。
ボルボにはこんな財閥のハイソな方々が乗るような高級車はないような気もするが韓国ではそういうイメージでもあるのだろうか。
話しが進むに連れて良い人みたいだったのに実は極悪だったり、敵の敵が味方になったりまあとにかく酒池肉林の騙しあいや裏切りあいのオンパレードでなかなか楽しめる。
前半のドロドロだが中盤辺りから雲行きが変わり始めてだんだんと殺人絡みのミステリー色とリベンジ的色彩が強くなってくる。
普通は最初に誰かが殺されて犯人をアレコレ謎解きするものだが、このマインは殺されるヒトがわかっていて、殺されるまでを延々と描いていくという斬新な切り口だ。
かなりヒステリックなキャラクターが何人も出てきてこれがギャーギャー喚き散らすのは観ていてストレスになったがコレも意図的な仕掛けなのだろう。
しかし今回のドラマの悪役も念が入っていて演技力もある俳優が実に憎たらしくバッチリ決めていてコレは見応えがある。
思い起こせば昔観た冬ソナの大悪玉親父を演じたオッサンが今回も諸悪の根源でこの俳優さんはこの手のドツボ役が良く似合う(笑)
それに昔の韓国ドラマお得意の記憶喪失が出てきて伝統的既視感はかなりあるのだが内容的には斬新という不思議な展開をしていく。
徐々に物語は刑事目線になるので結果的にどんどん推理ドラマ的になっていって愛憎渦巻くオンナのドラマだったとは思えないほど雰囲気が変化する。
ネタバレになるので詳しくは書けないが肝心の推理の結末であるがツッコミ所も多々あるがコレは確かに予想だにしない展開にタマゲたが上質なミステリードラマとして成立しているのは間違いない。
前半と後半とでの変化を引き伸ばし策とも取れるがソレでも最後まで全く飽きずに観させる技量は大したもんだと感服したMineだった。