らをた広島

食べ歩きブログ

シャイロックの子供たち

ある日、東京第一銀行の小さな支店で、現金が紛失する事件が起きる。

ベテランお客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店に勤める愛理(上戸彩)や田端(玉森裕太)と協力して事件の真相を探る。

この支店には、出世コースから外れた支店長の九条(柳葉敏郎)、超パワハラ副支店長・古川(杉本哲太)、嫌われ者の本店検査部の黒田(佐々木蔵之介)らがいた。

池井戸潤の小説を原作に、とある銀行の支店で発生した現金紛失事件を描くミステリー。

事件をきっかけに、複雑に絡み合う人々の思惑や欲望が浮き彫りになっていく。

メガホンを取るのは『空飛ぶタイヤ』でも池井戸作品を映画化した本木克英。

『アイ・アム まきもと』などの阿部サダヲ、『昼顔』などの上戸彩、『パラレルワールド・ラブストーリー』などの玉森裕太のほか、柳葉敏郎杉本哲太佐々木蔵之介らがキャストに名を連ねる。

小説は読んだことはないがあのドラマ半沢直樹シリーズ池井戸潤原作と言うことで観た。

実際、作品の中で半沢直樹の決め台詞だった「やられたらやりかえす、倍返しだ!」というのも出てきてなんだか納得してしまった(笑)

舞台は銀行でここで様々な人間模様が展開されるのだが、業界の事はよくわからないが銀行員としてのモラルを問われる作品でもある。

キャストは非常に豪華で悪役陣も年季が入っている方々ばかりでそこらへんは安心できる。

個人的には上戸彩の幾つになったのかわからんくらいのキレイさに目を奪われてしまったが彼女の存在感はしっかりと発揮されていたと思う。

池井戸潤原作だけあってストーリーは手が込んでいて一筋縄では先が読めないので観ていてもワクワクさせられてしまう。

ただ映画版は小説ともドラマ版とも内容が変更されている完全オリジナルになっているようで、特にキーキャラクターの柄本明は映画版だけの登場のようでコレがなかったらどう展開させたんだろうと逆に考えてしまうほどだ。

この映画の監督・スタッフはあの空飛ぶタイヤを手掛けたメンバーだと聞いてそりゃこのくらいのクオリティは当たり前だと最初から思っていたが期待は裏切られなかった。

上映時間は121分だがマジで30分くらいに感じてしまったのだが最近よくあるエンドロールの終わりになにかあるのかと勝手に予想して期待していたらそれは全く無かった(笑)

まあ銀行が舞台だからどことなく半沢直樹感は無きにしもあらずではあるがそれでもここまでエンターテイメントに徹底してくれたらこれが本当にあるのかウソなのかはどうでもよくなる。

冒頭の演劇のシーンが何のためにあるのか疑問に思ったが見事に回収していてこの作品の伝えたいことが見事に反映されていると感心してしまった。

正直最初にテレ朝が噛んでいる映画だと出てきたので嫌な予感がしてしまったのだがよくあるテレビ局主導映画の悪しき伝統みたいなものは感じられなかった。

韓国映画に押されまくっているまだまだ日本映画だがこういうマトモなのも作れるんだとなんだか安心してしまったシャイロックの子供たちだった。