『離婚しようよ』（りこんしようよ）は、2023年6月22日に全世界に配信した日本の配信ドラマ。
TBS制作によるNetflixシリーズの第3弾。
夫は新人議員、妻は俳優。
結婚5年目の東海林夫妻は、夫婦生活の危機を迎えていた。
仕事や世間体のためにおしどり夫婦を演じているが、家ではSNSの生配信の時しかほとんど会話が無く、顔も合わせることもない。
実家からのプレッシャーやスポンサー契約など、離婚への道のりは険しいが、愛はもう冷めきってしまった。
離婚という揺るぎない目標に向かって、二人はともに歩み始めるが‥。
クドカンのコメディドラマとあれば外せないので期待して観た。
1話1時間程度で全9話だから一般的な地上波ドラマの1クール分という構成だ。
さすがクドカンドラマだけあって何処となくあの名作朝ドラあまちゃんを連想させる設定もあって笑わせてくれる。
ネットフリックスドラマと言われなければ地上波ドラマと区別がつかないくらいフツーのホームドラマみたいだ。
松坂桃李と仲里依紗主演で不仲の夫婦の物語をコミカルに描くのだが松坂桃李は昔に比べて相当に演技がウマくなっていてそのガチなクズっぷりに驚いた。
クドカン作品らしく「かしこみかしこみー！」など小ネタがあれこれねじ込んであって笑えるし、四国の愛媛という地方都市ゆかりの展開もあまちゃんに似ている。
実際古田新太とか尾美としのりとかあまちゃん出演の俳優さんも出ていて相変わらずの実力を発揮しているが中でも謎の男を演じる辞めジャニ錦戸亮の存在感は特筆に値する。
反面愛人役の織田梨沙は一人だけ完全にレベルが違うのが際立ってしまっているように感じてしまう。
それにしても竹下景子はもう60代後半はだと思うがまだまだ若いしこのドラマで何度も何度も笑わせてくれるしとにかく存在感が凄い。
日曜劇場『日本沈没 ―希望のひと―』、「未来日記」のリブート、そして『離婚しようよ』とTBSはネットフリックスに配信してもらってるって事は、普通に考えて天下の在京キーテレビ局様がネット配信の下請けという位置づけとなり、世の中も変わったもんだ。
アナウンサー役で大熊英二が出ているがテレ朝アナだったのにどうなってるのかと思ったがフリーに転身していたようだ。
もっと平凡なホームドラマかと想像していたが政治絡みで先が読めない展開に完全にこのドラマに完全にハマってしまった。
愛媛県愛媛市という架空の都市を舞台にしているが実際の映像は松山市街地でのロケなので愛媛県出身の役者や芸人がガンガン出てくるものと予想していたがそうでもないのかと思っていたら愛媛県出身で済美高校卒の高岸宏行がお笑い枠で出てきてウケた（笑）
タイトルからして惚れた腫れたがメインテーマではあるが世襲議員の在り方や芸能人の裏側など単純なコミカルホームドラマで終わってないのはさすがは宮藤官九郎脚本作品ではある。
ハリウッドドラマは勿論韓国ドラマでも男優は皆凄い良い体している事がほとんどだが、この作品の松坂桃李も錦戸亮もガリガリなのはあくまでも個人的にどうにかならんのかと思ってしまった。
中盤から後半にかけてとにかく宮藤官九郎節さく裂でいちいち小ネタで笑わせてくれるのはいいが笑いすぎて涙ぐんでしまうほどだ。
選挙絡みでの放送出来なくなる地上波テレビの矛盾や松山空港の管制権の問題なども見事に皮肉っててココらへんはさすがにネットフリックスで流される前提のドラマだ。
小ネタで笑わせるだけ笑わせておいて肝心な場面でホロっと泣かせると言う、いわゆる泣き笑いはコレまでのクドカンドラマの真骨頂でもある。
日本の地方のゴテゴテ世襲ドブ板選挙の赤裸々な実態が描かれていて日本人はこのピリッと隠し味の効いた表現は面白く映るが、ネットフリックスで世界配信されるのを他の国の人が見て理解できるんだろうか（笑）
後半は愛媛でのドブ板選挙中心の展開でそれに離婚をするかどうかを絡ませると言うのもかなり斬新ではある。
最終的に選挙に魅せられてハマってしまうと言うのは満更絵空事ではなく実際に政治と言うのはやってみると死ぬほど面白い世界なのだろう。
予想外の連続ドラマだったのにラストはかなり凡庸だったのがまあアレではあるがコメディ仕立ての離婚劇をスパイスに日本の政治の矛盾や問題点をしっかり突いていてトータルとしてはかなり面白かった離婚しようよだった。
