らをた広島

食べ歩きブログ

パリタクシー

『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』などのクリスチャン・カリオンが監督などを手掛けたヒューマンドラマ。
タクシー運転手とあるマダムのパリ横断ドライブを描くとともに、彼女の驚きの人生も映し出す。
シャンソン歌手のリーヌ・ルノー、『ヒューマニティ通り8番地』などに携わってきたコメディアンのダニー・ブーンらがキャストに名を連ねる。

パリでタクシー運転手をしているシャルル(ダニー・ブーン)は、金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生がけっぷちの状態にあった。
ある日彼に、92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで送り届けるという仕事が舞い込んでくる。
彼女の頼みでパリの街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が明らかになっていく。

ツイッターでこの映画のCMを見て映画館で観ようと思ったが広島では上映していなくて諦めたフランス映画。

フランス映画と言えば『TAXi』シリーズが有名だがこのバリタクシーは同じタクシーでも全く関係ない。

『TAXi』シリーズのタクシーはニトロ魔改造されたプジョー406だったが今回のはルノーだ。

車種がわからなかったが調べたら日本に正規輸入されていない大型SUVエスパスで日本車で言えばちょうどハリアーハイブリッドみたいなもんか。

基本的にタクシー運転手と乗客の二人の車内での語りでストーリーは展開していくのでまるで舞台劇のようだ。

タクシーの映画と言っても派手なカーチェイスがある訳でもなく出てくるのは絵に書いたようなパワハラカス男でウンザリさせられる。

しかし地味な展開から一転して凄まじい復讐劇には痛すぎて思わず股間を押さえてしまった(笑)

もっと乗客である老婆のよもやま話みたいなのどかで緩い作品かと思っていたが全然違う方向に展開して全く先が読めない。

とにかく予想だにしなかった壮絶な過去がわかってそこら辺に転がってるような普通の映画ではないようだ。

かなりヘヴィな内容ながらなかなかよく練られた脚本で作品に引き込まれてしまってすっかり夢中になってしまった。

セリフのある登場人物なんてほんの数人なのに展開の程良さとそのテンポが上手いのか明らかな低予算作品ながらコレ程没頭してしまうのはやはり監督さんの手柄なのだろう。

1時間半の短い上映時間でコレだけ多くを表現出来るなんてちょっと考えられない。

ドキドキハラハラする訳では決してないけど単なるホノボノ作品ということも無くソレでもこの先どうなるのか皆目わからないというこんな作品には滅多に出会えない。

ネタパレになるので書けないが思いもよらないラストはとにかく泣けて仕方なかったが非常に心にドスンと来た作品だった。

こんな良い作品ならやはりちょっと無理してでも映画館で観るべきだったと激しく後悔したパリタクシーだった。