らをた広島

食べ歩きブログ

カエルの楽園 百田尚樹

かえる - 1
久しぶりにハードカバーの単行本を買った。
百田尚樹カエルの楽園
アマゾンで税込み1404円だった。
ネタバレになるので内容は詳しく書けないが
「最大の悲劇は、良心的な愚かさによってもたらされる。ベストセラー作家が全力で挑んだ、衝撃の問題作。」
という宣伝文句はホントだ。
寓話スタイル取っているが実際は現代の日本を取り巻く状況を如実に表現しているし日本人の平和や憲法に対する価値観についても深く考察している。
かえる - 2
ただ逆に言えばそもそも時事問題に無関心なヒトや日教組反日思想に染まった人などが単なる寓話だと思って読んでしまうと一体作者が何を言いたいのかさっぱりわからんという事態にもなり得る作品でもあり、結果ある程度読み手を選ぶ本なのかもしれない。
登場人物(登場動物 )などのキャラクター設定はネーミングも含めそれぞれにきっちりと意味が持たされておりストーリーも起承転結のメリハリが有り尚且つ綿密に練られている。
ほとんどムダな箇所が無いので読み始めるとグイグイその世界観に呑み込まれてしまう。
余談かも知らないがこの作品にちょいちょい出てくる小さなカエルのイラストだがなかなか独特の雰囲気があるのだが、コレも百田尚樹大先生の直筆によるものらしく才能のあるヒトって神様から同時に色々賜物を授かっているものだと感心する。
かえる - 3
自分は仕事の昼休みの時間つぶしに読み始めたがすっかり取り憑かれてしまい、やめられなくなり午後からの仕事をサボって一気に3時間くらいで一心不乱に読破してしまった。
読み終わって気が付くとなんとも言えないダークで虚しい気持ちと胸くそ悪い衝撃のラストにぐったりとへたり込んでしまった。
だけど今の日本人、特に新たに投票権を得る若い人がこれを読んでそれぞれがいろいろ考えるべき時代になっているのは間違いない。
本の裏拍子に書いてある「平和とは何か。愚かなのは誰か。」ということは読んだ人々のあいだでもいろいろと議論されるだろうが、テレビなどから与えられっぱなしの情報に安易に乗っかるだけじゃなく、こういうことをしっかりと自分のアタマで考えることが一般人にもできる「政治」なんじゃないかと思ってしまった。
作者の百田尚樹先生は「私はこの作品を書くために作家になったのかもしれないと思っています。もういつ引退しても悔いはありません。いつ引退してもいい。」とまでツイッターで言われているがその迸る気持がドスンと伝わってくるような内容に圧倒された一冊だった。
おすすめです!