文学賞「このミステリーがすごい!」 大賞で隠し玉作品に選ばれた志駕晃のサイバーミステリーを実写映画化。
恋人がスマートフォンを紛失したことで、事件に巻き込まれる派遣社員の姿を描く。
スマホの拾い主から監視され、追い詰められるヒロインに、『HERO』シリーズや『探偵はBARにいる3』などの北川景子。
『リング』シリーズなどの中田秀夫監督がメガホンを取った。
派遣社員・稲葉麻美(北川景子)の恋人が、スマートフォンを落としてしまう。
そのことを知らずに恋人に電話をかけた彼女は、「あなたが稲葉麻美さんだってことは、分かりますよ」と見知らぬ男から電話越しに言われ、絶句する。
拾い主の男から恋人のスマホを受け取りホッとする麻美だったが、その日から彼女の周囲で不穏な出来事が起こり始める。
同じころ、山中で身元不明の女性の遺体が次々と発見され......。
よく考えたら自分も知らず知らずとスマートフォンやアップルウォッチにかなり依存した生活をしている。
それだけになかなかリアリティのある内容ではある。
最初はコミカルな感じで始まるので安穏としていたら途中から一転してかなりホラーな展開になってくる。
この手の恐怖物にあまり慣れていないのでけっこう怖い映画だった。
確かにスマートフォンの内容を丸ごと抜かれ悪用されたらこんな事もできるんかとちょっと勉強になった。
SNSも便利だし面白いがこういうリスクがあるって事も確かにわかる。
まさにデジタル時代の現代にはじゅうぶんにあり得る話ではあるが妙に説得力がある分恐ろしい。
ラストは2段落ちみたいになっててヒネリが効いているがいくら何でも無理があって最後の最後で「そりゃないよ!」とリアルが砕け散るのは情けない。
それを差し引いても全体としては緊張感があって面白いエンターテイメント映画だったと思う。