「静かなる海」は、必須資源の枯渇により荒廃した近未来の地球から、特殊任務を受けて月に捨てられた研究基地へと向かった精鋭の隊員たちの物語だ。
研究基地で隊員が殺害されるという謎の事件を描いたミステリースリラーで、チェ・ハンヨン監督の同名短編映画を原作にしている。
Netflixドラマ「キングダム」シリーズでグローバルスターに浮上したペ・ドゥナと、「イカゲーム」に特別出演して海外でも話題を集めたコン・ユが共演して大きな関心を集めた。
ここにイ・ジュン、キム・ソニョン、イ・ムセン、イ・ソンウクら映画、テレビドラマに多数出演する演技派俳優たちが豪華出演して、より一層期待感を刺激した。
人気俳優チョン・ウソンが、初めて制作総括プロデューサーとして名を連ねた作品でもある。
ネットフリックスの最新韓国ドラマ。
1話45分程度で全8話と全9話のイカゲームと似たような尺で構成されている。
舞台は宇宙というかなり壮大な内容でCGが駆使されている。
この手な宇宙を舞台にした作品と言うのはセットやら衣装やら押しなべて制作費がベラボウにかかるので邦画ではあまり見かけないが、この作品にとんでもないカネがネットフリックスから投入されているのは容易に想像できる。
5年前放射能漏れが原因でという建前で閉鎖された月基地から謎のブツを24時間以内に持ち帰る任務のチームが一人づつ不可解な死を遂げるという内容と知って観始めた。
自分らの世代だとこの手の宇宙が舞台のスリラーと言えばなんと言ってもエイリアンシリーズを連想してしまうがこの作品にもその雰囲気が漂っている。
て言うかホントにエイリアンみたいな展開になって行くのにビビった。
冒頭の月面を歩いてるシーンでは重力が少ないような表現があったのでこの先ずっとコレをやるなら大変だと思っていたが月面基地に着いたら地上と変わらぬ重力感に戻ったのでどこなく安心した(笑)
まあこの手の宇宙を舞台にした作品は多かれ少なかれエイリアンの影響を受けていると思われるのでリスペクトしたような映像があるのは仕方ないとは思う。
乗組員の過去や背景などもフラッシュバックしながら丁寧に紹介されて閉鎖された空間で謎が謎を呼ぶ展開は一昔前にあった海外ドラマ「ロスト」を彷彿とさせる。
ロストはストーリーに必要のない謎の風呂敷までも広げすぎて最後は収集がつかなくなってしまったがこのドラマはどうなのか心配になってしまった。
乗組員にはキッチリ裏切り者もいてコレが悪役になり良いスパイスになって機能している脚本は良く練りこまれている。
途中で気がついたのだがイカゲームで握役やっていた俳優さんがキーパーソンとして登場するのだがイカゲームと全然違う役柄で最初は同人物とは思えないくらいでちょっとビビった。
タイトルの静かなる海だが最初はなんのことかわからなかったがストーリーが進むとなるほどそう言うことかと納得ができるようになっている。
最終話は丸ごと解決編になっていて謎解きをしてくれるのだがラストの表現は賛否が分かれそうで個人的にはここまで引っ張って来て最期の最期にソレはないよ!と言いたくなってしまった静かなる海だった。