らをた広島

食べ歩きブログ

天想 稲穂(中区)天ぷらコース

天想 稲穂

スマホの案内でお店の前まで来たがどこにあるのかわからない。

このビルのテナントを見たら5階にお店の名前が書いてあるのがやっとわかった。

心してエレベーターに乗って5階に着くと店構えはほとんど飲み屋スタンドだ(笑)

扉を開けるとそこはカウンターだけの落ち着いた天ぷら屋さんの内装が施されておりここが高級店であることを思い知らされる。

大将と奥様かな?それともうひとり男性の3人体制で出迎えてくれる。

天ぷらのコースなのにまずはオードブルからで、これが日本料理とも洋食ともわからないような不思議な始まりにすっかり驚かされた。

いよいよ天ぷらが出てきたがさすがに車海老(博多産と言われていた)の足の部分。

これを天つゆか塩でいただくのだが一尾づつそれぞれで味わってみたが個人的には塩の方がストレートに素材の旨さが味わえるように感じたがこれまで天ぷらを食べてそう思ったことはなかった。

そしてまあ天ぷらといえば本命のエビが提供されたが、勿論車海老で見事に立たされていて見栄えも計算されているようだ。

これも2尾でたが天つゆと塩で食べたがこちらも若干塩のほうが好みだと感じた。

車海老が来たら次は当然キスがでてくると予想してたのだが大きく裏切られてナント太刀魚の天ぷら。

太刀魚と言えば定番の塩焼きかせいぜい刺し身くらいしか食べたことがないのだが天ぷらもこんなに合う魚だったとは新たな発見をさせてもらって感激した。

ここで趣が変わってアスパラ。

これも塩でいただいたが素材がしっかりしているのもあるが天ぷらが置かれた紙に油がほとんどつかない揚げ方をされてる大将の腕も確かなようだ。

ここらへんからビールが回ってきて記憶があやしくなっているのだがこれってアナゴだったように思うがどうなんだろう。

最初は素のままででてきてこれに1尾はタレを塗られ、もう1尾はワサビが添えられた。

どちらも香ばしくてホコホコしていてどうなっとるのよ(笑)

この日のハイライトというか度肝を抜かれたフカヒレの天ぷら。

そもそもそういう料理があるなんて全く思いもしなかった。

これは2つとも塩でいただいたがまあなんていうか最高のビールの肴といえば大将に失礼かもしれないがフカヒレってスープ以外にもこんなに旨く食えるのかと目からウロコが落ちる思いだ。

素朴な味わいのカブの天ぷら。

ココらへんの押し引きと言うかコースの組み立て方にプロのセンスを感じさせる。

盛り付けはほとんどフレンチかイタリアンかと思うような牛肉の天ぷら。

牛肉と言うのはステーキが最高と思っていたが完全にその固定観念は崩れてしまった。

中身はレアでへたすりゃこれ以上の牛肉の料理法はないんじゃないかと思えるくらいの火の通り具合でその完成度に舌を巻くしか無かった。

ここで変化球が飛んできてタマゲたよ!とうもろこし。

食べてみると天ぷらと言うよりお菓子に近い味でコーンの甘さを塩が引き立ててくれてこれも新鮮な驚きだった。

これが天ぷらの最後になるウニの大葉で包んである天ぷら。

ウニに火を通すとちょっと生臭くなってあまり好みではないのだがこの辺はよく考えられていてウニはほとんどレアで大葉から外にだけ熱が当たっているようだ。

〆はナント日本そば。

嬉しくて思わず大盛りをお願いしてしまった。

当たり前なんかもしれないが使ったばかりの天かすがサクサクでソバとベストマッチしていて〆には最高だ。

実質本格日本蕎麦屋さんで出てくるソバと遜色ないし、量もかなりあってもう心もお腹もパンパンになってしまった。

これにデザートがまた豪華でメロンに梨だったかよく覚えていないが満腹でも甘いモノは別腹ってこういうことを指すのだろう。

これでビール別で1万円少々のコースらしいが内容や量を考えたらどちらかと言えばコストパフォマンスは良いと言わざるを得ない。

個人的には太刀魚とフカヒレインパクトが非常に強くてこれは一生忘れられそうにない。

それとさっきも書いたが天つゆより塩だけで食べたいと思わせてくれた天ぷらは正直人生で初めてだったのでそれだけハイレベルな天ぷらだったのだろう。

大将はまだお若いがしっかりとした基礎を積んでおられるとお見受けした。

コースの最初から最後までの繊細な気の配りようも見事だ。

接客を含めガッツリ、ザ高級店してるのに肩の力抜いて楽しく食事ができる雰囲気作りも含めて非常に気に入ってしまった天想 稲穂の天ぷらコースだった。