Netflix日本ドラマ『THE DAYS』(ザデイズ) 全8話です。
2011年3月11日から数日内で起こった福島第一原発事故をリアリティたっぷりに描く問題提起の作品!
門田隆将のノンフィクション小説が原案の、史実をもとにしたドラマです。
東日本大震災で東電職員たちがどういう動きをしていたのかディティールまで伝わってくる重厚な人間ドラマです。原発事故の裏の恐ろしい経緯が判明します。
佐藤浩市・渡辺謙主演の映画『Fukushima 50』(2020)も、同じく『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』をもとにした作品です。
2011年3月11日。東日本大震災が発生し、東電・福島第一原発のスタッフはパニックになる。
所長・吉田(役所広司)は職員たちに避難指示を出し、1号機と2号機の当直長・前島(竹野内豊)に状況を確認させた。
原発は無事に運転停止したかと思われた。
しかし押し寄せた津波が施設の電源設備を破壊。原子炉を冷却することができないどころか、状況さえつかめない。
吉田は前島と連絡を取りながら決死の決断を下すが…。
いっぽう、内閣総理大臣・東(小日向文世)は福島第一原発からの情報が乏しいことにフラストレーションをつのさせていた。
ネットフリックスドラマとはいえこのキャストは凄い。
まあ役所広司主演を筆頭に映画並み、そこらの映画以上の顔ぶれにこのドラマへのチカラの入れようがよーくわかる。
映画『Fukushima 50』も非常に感慨深く観たがそのドラマ版と考えて良いのかわからないが冒頭の津波のシーンのリアリティが凄まじくてCG映像もかなり進化しているのがよくわかる。
地震後のセットはネットフリックスだけあってかなり本格的でCGも使っていると思われるが相当カネがかかってるのは間違いない。
映画より尺があるだけ丁寧に、または多くの人の物語が描かれるが、その分悲惨なシーンもリアルに描かれていてコレは説得力がある。
1話45分で前8話と地上波ドラマと構成は同じような感じになっているがCMがないので作品に没頭できるのが嬉しい。
東日本大震災の時の総理大臣だった民主党の菅直人は小日向文世が演じているが、この作品でも怒り狂ってばかりの無能に描かれている(笑)
映画版で言えば渡辺謙が役所広司、佐藤浩市が光石研になり当時の被害者そっちのけの政治家と東京電力のお偉方のしょーもないメンツ合戦にウンザリさせられる。
ただ尺に余裕があるからなのかわからないが2話あたりからテンポが悪く『Fukushima 50』と比較してノロノロとした展開にイライラさせられる。
幾ら実際にあった事を再現してる半分ドキュメンタリーだとは言え、特に3話あたりから明らかにダレてしまって観てる方が疲れてくる。
こんなのなら実際に亡くなった方に非常に失礼かも知れないがもっと本当にあったはずの悲惨な実態を描いた方が作品にもっと真実味を与えてくれたように思う。
ローカル番組水曜どうでしょうで「NOちゃん」とか阿漕な事をやらされていたTEAM NACSと音尾琢真が役所広司に絡むかなり重要な役で出演していて良い役者になったもんだと感慨深く観てしまった。
Fukushima 50では素人にも比較的わかりやすく解説しながらの進行だったのでついていけたが、ただでさえわかりにくい原子力発電の構造やシステムを専門用語だらけで表現されてもさすがにわからない。
「このドラマは世界中の人々に見てもらいたい」と宣伝していたが当事者でもある日本人でも難解でわからないのを他の国のヒトがわかるとは思えない。
映画版でも献身的な自衛隊員の働きについて描かれていたがこのドラマでも全く同様で胸が熱くなった。
しかしこのドラマを通じて如何に当時の民主党政権が現場の東京電力の必死の復旧作業の足を引っ張っていたかが本当によくわかる。
東日本大震災が天災よりも人災だと言われる理由はこんなところにあるのだろう。
中盤はほとんどが福島原子力発電所の室内シーンが続くせいか、見た目が代わり映えせず淡々と進行していると言うか、中弛みしてしまっている。
何とか最終話まで辿り着いたが長いドラマのラストに総括みたいなのが語られるのだが、そもそもの原子力発電の可否に言及する。
コレが昔、テレビでよくあったオッサン向け左翼ドキュメンタリーそのもので結局反日反原発思想のお花畑作品だったのかと、監督さんの力量のなさからくるつまらなさにトドメを刺された気がした。
時間がながいだけで内容については映画『Fukushima 50』の足元にも及ばないと言うのが自分なりの感想だった『THE DAYS』だった。