いな穂(東広島市志和町)中華そば
志和町のいな穂。
なんていうかとにかくど田舎だ。
とにかく見事なくらい周りには何もない。
あるのは道だけでなんて説明して良いのかわからない場所にぽつんと一軒だけあるラーメン屋だ。
まあ田舎のお約束だが駐車場がかなりゆったり用意されているがどこまでがこの店の駐車場なのかわかりにくいくらい広大だ。
ここの店の前の道は何度か通ったことはあるがココにラーメン屋があるなんて全然知らなかった。
クルマから降りてよく見るとラーメンだけじゃなく「寿司」「どんぶり・定食」「うなぎ」「すっぽん」とありとあらゆるメニューがあることがわかる。
店内はけっこう広く左手奥に厨房があってその手前に3人分の小さなカウンター、そしてその後ろに4人がけテーブルが2つと更には小上がりにちゃぶ台が2つあるのでそこそこの収容人数あるだろう。
お冷じゃなく冷たいお茶をセルフでいれてテーブルに着席。
店員さんがおられるのかわからないからしばらくじっと待機していた。
なんとなく頑固おやじが一人でやってる店なのかと思っていたら奥か出てこられたのは若い女性でメニューは中華そばと中華そば御飯付きしかないとのことなので中華そばを注文。
厨房にはもう少し年配の女性もおられるようで意外にも女性の切り盛りするお店のようだ。
3分も待たずにでてきたよ!いな穂の中華そば600円。
店内の壁には「昭和の味・懐かしい味 中華そば」と書いてあるが確かにそのようなルックスと言って良いだろう。
麺は中太のストレート。
茹で方指定しないながらもやや固めの程よい茹で具合に好感が持てる。
メンマはなくチャーシュー、モヤシ、ネギだけというシンプルな構成。
このシンプルさってまさに懐かしい中華そばって事なのかもしれないが全然古めかしさはなくキッチリと処理された旨味をもったトッピングになっている。
もやしなんてシャキシャキだ。
デフォルトでかなり多めに入れられるネギも瑞々しくしっかりと辛味をプラスしておりきちんとした仕事がなされているとこがよくわかる。
スープは確かに昭和の味ってくらいだから最近流行りの重層的に味を重ねて・・・なんてことはなくシンプルにトンコツ醬油で特に香味油に頼ることなくストレートにしっかり旨味を伝えてくるあたりは広島市街中心地の老舗ラーメン店に勝るとも劣らない。
こうなるとテーブルにぽつんと置いてあるコショウを久しぶりに少しだけ入れてみたくなってしまった。
これはまた何とも馴染んで思わず「おおお!」と言いそうになった。
最近の重層的スープの特に魚介系ラーメンにはコショウが合わないものが多くラーメン店の中には初めからコショウを置いていない店まである。
ラーメンを食べもしないでコショウを振り倒すと言った時代錯誤なヒトは最近はあまり見なくなったがこの手のオールドタイプラーメンにはコショウが合う事があるのよね〜。
実際コショウの辛味でスープは複雑化して更にスープの旨味濃度がアップしたのだった。
まわりに何もないようなこんな場所でもどこからかガテン系の男性を中心に次々と客がやってくるという不思議な店だと思っていたらこんな旨いラーメンが食えるなら納得できる。
しかし世の中どこに美味いラーメンがあるのかホンマにわからんよね〜。