らをた広島

食べ歩きブログ

いとみち

青森県弘前市の高校に通う16歳の相馬いと(駒井蓮)は、強烈な津軽弁と人見知りが悩みの種で、大好きなはずの津軽三味線からも遠ざかっていた。

そんな状況をどうにかしたいと考えた彼女は、思い切って青森市メイドカフェ津軽メイド珈琲店」でアルバイトを始める。

当初はまごつくものの、祖母のハツヱ(西川洋子)や父の耕一(豊川悦司)、アルバイト先の仲間たちに支えられ、いとは少しずつ前を向いていく。

そんな中、津軽メイド珈琲店が廃業の危機に見舞われる。

映画化もされた「陽だまりの彼女」などで知られる作家・越谷オサムの小説を原作にした青春ドラマ。

強い津軽なまりと人見知りに悩む青森の女子高生が、メイドカフェでアルバイトを始めたことをきっかけに成長していく。

監督・脚本は『俳優 亀岡拓次』などの横浜聡子

津軽三味線が得意な主人公を『名前』などの駒井蓮、彼女の父を『後妻業の女』などの豊川悦司メイドカフェの先輩を『美人が婚活してみたら』などの黒川芽以が演じるほか、横田真悠、中島歩、お笑いタレントの古坂大魔王らが共演する。

青森を舞台にした青春映画。

青春映画だからといってよくある惚れた腫れた路線ではないので観ることにした。

主人公の女の子は津軽弁があまりに強烈で馴染みのない自分には何言ってるかよくわからない部分があって音声日本語なのに字幕が欲しいくらいだ(笑)

タイトルの「いとみち」とは主人公の名前が「いと」なのと三味線を弾くと出来るいわゆる弦ダコのことをかけているみたいでヒネリが効いて面白い。

津軽弁がコンプレックスで引っ込み思案の主人公が思い切ってメイド喫茶でバイトを始めるのは良いがこの展開と三味線がどういう関係になるのかサッパリ読めない。

メイド喫茶なるものに全く知識がないので知らなかったが女性客もいるのはビックリした。

まあ基本、喫茶店なんだから当たり前なのかも知れないが(汗)

豊川悦司古坂大魔王以外は知らない役者さんばかりでBGMもほとんどなく低予算の作品であることはすぐにわかる。

バイトを通じて人間関係を造る術を少しづつ得てだんだん変わっていく姿はまさに青春映画そのもので知らない役者ばかりの低予算作品としては非常によく出来ている。

一方で三味線の演奏シーンもあってCGを使っていないのなら本当に弾いているようにしか見えなかったが、かなりの腕前に見えるが相当練習したのだろう。

最終的にその三味線がこの作品のキモになっていくのだが後半になるとつい見入ってしまっていた。

原作は小説のようだがこの三味線の説得力がある力強い演奏は映画ならではのハズで、三味線の事はわからなくてもカッコよかった。

全編に渡ってよく計算された構成になっていてこんなに心地よい青春映画はコレまで観たことがない。

日本映画もまだまだのんな良質な作品を生み出せるチカラがあるなんてちょっと嬉しくなってしまったいとみちだった。

ラストも素晴らしいしとにかく面白かった。