らをた広島

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SPACE BATTLESHIP ヤマト


DVDでみた。
キムタク主演でかつての名作「宇宙戦艦ヤマト」のリメイクだ。
地球がガミラスの遊星爆弾に放射能汚染されていて~シーベルトってセリフがあるがこのご時世にシャレにもならないかも知れない(笑)
人気が出た後から突然くっつけたみたいな作品は別にして最初の宇宙戦艦ヤマトは紛れもなく傑作である。

それからのジャパニメーションに与えた影響は計り知れない。
リアリティのあるSFアニメのエポックだとも言える。
ルパン三世とともに子どもではない主人公の大人向けアニメーションの先鞭をつけた作品として未来永劫輝きを失うことはないだろう。
それだけに我々のように特別な思い入れがあるモロヤマト世代には名作リメイクは過去に良かった試しがないのでデキを訝しがるムキが大多数だろう。
古代進が例によっていつものキムタク進だとかアイハラや佐渡酒蔵が女だとか森雪がキャラ違いで衛生班じゃなくパイロットだとかまあそういうことは気にならない。
配役とかも豪華ベテラン陣で固められて申し分ない。
戦闘シーンCGもスクリーンではなくテレビ画面で観たからかもしれないが思ったよりもクオーリティは確保されていたように思う。
ただ有名な第一艦橋セットのショボさも痛いがいかにもどっかのフェリーの内部で撮影されたであろう格納庫は宇宙戦艦らしさが希薄で興ざめだ(笑)
それより何よりこの映画の最大の弱点はガミラス星人の描写だろう。
冥王星反射衛星砲のシュルツ指令、太陽系方面作戦指令長官ドメル指令、顔の怖いヒス副指令、そしてデスラー総統。
最初は憎たらしいだけのこれらガミラス悪役達との戦いのうちに徐々に生まれてくる男たち同士のヒューマニティーこそか宇宙戦艦ヤマト最大の見せ場だったはずなのが無機質なCGエイリアンとの白兵戦はまるでつまらないゲームを見ているようだ。
実は宇宙戦艦ヤマトはもともと大きな自己矛盾を抱えている物語だ。
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そもそも小惑星を丸ごと吹き飛ばす大砲をもち、光速や時空を飛び越える「ワープ航法」までも可能な超高性能大型宇宙戦艦を秘密裏に建造し片道14万8千光年彼方の惑星にたった1年で往復してしまう科学力を持っているのなら放射能除去装置の実用化の方が遥かにカンタンなんじゃねーか?って・・・
この最初のボタンのかけ間違いを引きずっていても尚、名作になれたのはこの映画のように派手なドンパチや惚れた腫れただけのケーハク路線じゃなかったからだろう。
そういう意味からすれば数年後には「そーいえばいつだったかキムタクで実写版があったよねーがははは」ってな感じで片付けられてしまう運命の映画だ。
ある意味これまでの予想をカンペキなまでに裏切らなかった期待通りの金儲け映画。


期間は7/14(木)~9/11(日)