東珍康(尾道市栗原町)尾道ラーメン
新尾道駅近くの東珍康(とんちんかん)。
尾道ラーメンでは定番というか有名店だ。
場所は大きな幹線道路沿いにあってわかりやすい。
この日も14時前に着いたにもかかわらずまだまだ行列ができておりここの人気ぶりが伺える。
駐車場は何台か確保されてはいるようだがとってもじゃないが足りずそれを見越してか近所に比較的大きな有料駐車場があってこの店で会計時に無料駐車チケットを貰える仕組みになっているようだ。
尾道ラーメン店の伝統に則って暖簾に「井上製麺所」と製麺署名が入っている。
15分くらい待ってから入店。
店内は大将を初め男性陣スタッフが多いようで皆さん忙しそうにしている。
我々は8人だったがバラバラで構わないと申し出ると4人がカウンター席に残り4人がテーブル席に通された。
しかし老舗と聞いていたが店構えも店内も相当キレイ。
もしかして改装して間がないのかもしれない。
メニュー筆頭の尾道ラーメンを注文したがこの店はラーメン専門店ではなく中華料理店のようでありとあらゆるメニューが準備されている。
ラーメンも非常にバリエーション豊富でほかに見たことないハンバーグラーメンなんていう変り種ラーメンもあるようだし一品料理は麻婆豆腐から酢豚、エビチリやスペアリブ、果てはかつ丼まであるといった具合だ。
中華料理店が片手間でやっているような尾道ラーメンで大丈夫なんかいな?って思っていたらやってきたよ!東珍康の尾道ラーメン(並)530円。
これは紛うかたなき尾道ラーメンのルックス。
井上製麺所製の麺はいわゆる尾道ラーメンの平打タイプではない。
なんとこれが細めのストレートでしっかりコシがあるように茹でられているのが目新しい。
この効果は絶大でどちらかといえば麺の主張が弱い尾道ラーメンの印象を大きく変えている。
スープは決して醬油が主張しすぎないどちらかといえばアッサリ系だけど旨味だけはしっかりと抽出されているという凄いモノ。
こうなると尾道ラーメンにおける背脂の必要性をよく理解できるので有難い。
チャーシューは尾道ラーメンによくあるぱさぱさ系をより推し進めたようなカチカチ系でここまでくるとスジ肉の領域に入ってくるほど。
まあそれが尾道ラーメンだと言ってしまえばそれまでだが個人的には悪しき伝統のように思えてしまい、歯が悪い人にはコイツは天敵になること間違いない。
だけどトータルで見れば相当にハイレベルなラーメンであることは間違いなくこの行列も然もありなんという感じもする。
醬油ラーメンながら醤油に頼らない醤油ラーメンとでも言えばいいのよくわからないが塩分があまり主張しないのは素晴らしい。
一口に「尾道ラーメン」というが店によって非常に個性があって広島東部のラーメン事情もとっても興味深い。