トラック運転手による珍騒動を描いた人気シリーズの、記念すべき第1弾。
ヤクザ映画で名を上げた菅原文太が新境地を開いた。
長距離トラックの運転手の生活をペーソス豊かに描いた喜劇。
脚本は澤井信一郎、監督は脚本も執筆している「けんか空手 極真拳」の鈴木則文、撮影は「青い性(1975)」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
11トントラック運転手の星桃次郎は東北のドライブインで出会った新人ウェイトレス倉加野洋子に一目惚れ。
三歳の捨て子を拾ったことから、相棒の松下金造と親捜しの旅に出るが、子供の父親は数日前に事故で亡くなっていたことが分かり…。
世代的には自分が小学生だった頃に大当たりした作品で後にシリーズ化された。
もう46年も前の作品だから亡くなっているヒトがほとんどの作品と思われる。
今じゃなかなか考えられないソープ(劇中ではトルコと言っている)のシーンとかバンバンあって昔の古き良き時代を思わせる。
まだ二十歳やそこらの年齢の中島ゆたかがマドンナだが背も高くビックリするほどキレイだ。
当然、コメディ作品だから仁義なき戦いとは作品のテイストはかなり違うがあの頃の東映の雰囲気はムンムン画面から伝わってくる。
この作品に憧れてギンギラギンの装飾をしたトラックが道路に溢れたのも納得だ。
ストーリーは単純明快でわかりやすく何ていうか吉本新喜劇みたいな泣き笑いのドタバタ劇。
主人公の菅原文太がで旅先で出会った美女に毎度一方的に惚れて結局フラレてととどことなく寅さんのような組み立てだけどこの時代にはこう言うのが受けていたのだろう。
それにしても仁義なき戦いシリーズであれだけギラギラしたヤクザ役でスターダムにのし上がった菅原文太がこういう路線になったのには色々事情があった事が何となくわかる。
昔の映画だけにカーアクションなどは突っ込みところも満載ではあるが当時の熱さみたいなものがヒシヒシと伝わったトラック野郎 御意見無用だった。