北陸やくざの壮絶な抗争を描く。
撮影中に渡瀬恒彦が怪我を負い、その代役を伊吹吾郎が務めている。
福井の富安組組長である安浦は、若頭の川田と揉めていた。
安浦が競艇場利権を川田に譲渡するという約束を破ったためである。
川田は安浦をリンチ、恐れた安浦は弟分の万谷に相談する。
万谷を介して紹介された大阪浅田組配下金井組の金井八郎は、この諍いを機に北陸を支配しようと目論んでいた。
ある夜、万谷に襲われた川田は重傷を負ってしまう…。
やがて川田は金井組の配下と成り下がった北陸を奪還する決意をする。
松方弘樹の熱演もみどころ。
作風は仁義なき戦いシリーズそのもので出演者も結構被っていて目新しいのはヤクザには見えないハナ肇と尾藤イサオくらいか。
北陸版仁義なき戦いみたいな内容だとすぐにわかった。
松方弘樹や千葉真一もなかなかのもんだが成田三樹夫はもうホンモノのヤクザにしか見えない。
風車の弥七で有名な中谷一郎がヤクザ役で出てるがどう見ても風車の弥七にしか見えなかった(笑)
45年も前の映画なのでこれに出ている役者の半分以上はもう亡くなっていると思われる。
実録シリーズだから本当にあったことがベースになっているのだろうが役者はかなり体を張っていてアクションの迫力は相当なもんだ。
仁義なき戦いの金子昇に相当する役は西村晃が演じていてこの人も水戸黄門のイメージが強いが嫌らしいヤクザ老人もソツなくこなしている。
仁義なき戦いシリーズより凄惨なシーンが減り、コミカルなシーンが増えていてココらへんがハナ肇起用の理由のようにも感じられる。
ストーリーはわかりやすいがその分単純で薄っぺらく仁義なき戦いのような裏切り裏切られの駆け引きみたいなのはほとんどない。
実録シリーズなのにどことなく時代劇みたいな雰囲気もあってこの頃にはこの実録シリーズ自体がもう曲がり角に来ていたのかもしれない。
全体に演出が雑なのが気になるがまあなんとなくソコソコの出来という感じが否めない北陸代理戦争だった。