1971年から1973年にかけて放送された石ノ森章太郎原作の「仮面ライダー」50周年プロジェクトとして、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明が監督を務めた特撮アクション。
仮面ライダーこと本郷猛を池松壮亮、ヒロインの緑川ルリ子を浜辺美波、仮面ライダー第2号こと一文字隼人を柄本佑が演じ、西野七瀬や塚本晋也、森山未來などが共演する。
頭脳明晰・スポーツ万能だがコミュ障の無職だった本郷猛(池松壮亮)はショッカーにさらわれて改造手術を受けるが、ショッカー団員で緑川博士の娘・ルリ子(浜辺美波)に助けられた。
本郷たちはショッカーの戦闘員やクモオーグに追われる。道でバイクが吹き飛ばされ、本郷はベルトに風圧を受けて仮面ライダーに変身した。
本郷は殴っただけで戦闘員を殺せるパワーと、バッタと融合した気色悪い体に葛藤した。
ルリ子は赤いマフラーを本郷に巻いた。
ルリ子と緑川博士はショッカーによる人類の支配を止めるために協力してほしいと言う。
そこへクモオーグが現れて…。
自分が小学生の頃にテレビ放送された仮面ライダー。
初代ゴジラはモノクロだし世代的にはかなり上、初代ウルトラマンはチョット上、初代仮面ライダーは自分にとってはピンズドの世代になる。
確か土曜日の夜に放送されていたように記憶しているがその後の全員集合とともに毎週楽しみにしていたのを覚えている。
仮面ライダーと言えば「変身ベルト」「バイク」「ライダーキック」が必須要素となるがココらへんはさすがにキッチリ押さえてある。
特にライダーキックは子供の頃に死ぬほど憧れたポーズそのものでシンウルトラマンのスペシウム光線と同じく、我々の世代には観る価値あると断言できる。
ただエンドロールに「安田顕」「仲村トオル」「大森南朋」「松坂桃李」と書いてあるのだが何処で出ていたのかさっぱりわからなかったがコレだけ多くの有名俳優がわからなかったのは初めてだ。
ロケ地にかなり拘っているようで中でも庵野秀明監督の故郷の宇部のコンビナートが使われているのは直ぐにわかったし、ラストシーンなんて同じ山口の角島大橋だ。
仮面ライダーのサイクロン号は普段乗っているバイクから6本マフラーに変形するのだがこのマフラーから煙を出して走る様は自分らの世代には白煙撒き散らして疾走していた懐かしの2ストバイクにしか見えなかった。
本家の仮面ライダーでもバイクの事は適当な描かれ方だったが今回のシン・仮面ライダーもロングコート(マフラーもだが)着たままライディングとかやったらわかるがとてもじゃないが風に持って行かれて普通に乗っていられないはずだ。
元々テレビの仮面ライダーではロングコート着てるイメージないのでもしかしたら原作のマンガにこういう表現があるのかも知れない。
バイクで言えば普段はシングルディスクのCB250R(ヒーローが駆るバイクにしては排気音がショボい)なのだが仮面ライダーに変身するとダブルディスクのCB650Rベースのサイクロン号に変形するのはまあわかるが煙吐く6本マフラーと別に本物のマフラーが見えていて計7本マフラーのバイクになるのは笑えてしまった(笑)
庵野秀明作品常連の俳優が結構出ているが竹野内豊が「立花」で斎藤工が「滝」なのにはさすがにニンマリさせられたし、長澤まさみの怪人ぶりには笑ってしまった。
シンウルトラマンでもそうだったが仮面ライダーの特に初期のオマージュが沢山散りばめられていて庵野秀明監督が子供の頃に自分と同様にテレビにかじりついて見ていたのだろう。
ただストーリーは至極平凡なので平成ライダーをちょいかじりしてるだけくらいの浅い知識とか仮面ライダー丸ごと知らないとかだと、この作品の何が良いのかさっぱりわからんだろう。
そういう意味ではこの作品は賛否両論、ハッキリと分かれてしまう可能性大だ。
アクションシーンはCGが多用されているが迫力があって見応えがあるは良いが、仮面ライダーがショッカーのザコ敵を血しぶき飛ばして殺しまくるのはオリジナル通りだが表現がリアルになっている分かなりグロく思えた。
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンに続いて自衛隊の全面協力を取り付けたみたいでその手の施設をかなり活用している。
まあ実際にはCGがあまりにショボいとか格闘シーンが暗くて見えにくいとか色々とツッコミドコロはあるのだが基本特撮映画だしトータルとしてはよくまとまっていると思う。
数多く散りばめられた小ネタを含めて1本丸ごと初期の仮面ライダーのオマージュのような仮面ライダー愛に溢れていていかにも庵野秀明監督作品と言えるシン・仮面ライダーだった。