らをた広島

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Netflix『サンクチュアリ -聖域-』

あらゆる思惑がうごめく角界を舞台に、猿桜たちの想いが交差し、熱き“番狂わせ”の火種となっていく様が描かれている本作。

「本物」の大相撲に限りなく近づけるために撮影開始のほぼ1年前から、相撲監修の元大相撲力士・維新力浩司や、肉体改造の専門家、プロのスポーツトレーナー、栄養士の指導を受ける本格的な稽古が敢行された。

さらに撮影現場にはジムが併設され、トレーニングや撮影後に体を休ませるための仮設プールが持ち込まれるなど、完全にアスリート仕様で行われたという。

かつてないスケールで展開される前代未聞の大相撲バトルに期待せざるを得ない。

主演はオーディションを勝ち取り、元プロ格闘家という経歴を活かした徹底的な役作りに期待が寄せられる一ノ瀬ワタル。

清水役には、『ヒミズ』(11)、『寄生獣』(14)などに出演し、役柄によって様々な表情を見せることでカメレオン俳優とも称される染谷将太

国嶋を演じるのは『デッドプール 2』(18)、『マーダー・ミステリー』(18)などハリウッドへの出演も相次ぐ国際的俳優の忽那汐里

そして猿将親方役のピエール瀧ほか、実力派豪華キャスト陣が名を連ねている。

リアリティ溢れるアクションシーンを高い熱量で描くのは『ガチ星』(18)、『ザ・ファブル』(19)などの江口カン監督。

脚本は、劇団K助を主宰し『半沢直樹』(13)などを手がけた金沢知樹が務めている。

大相撲をテーマとしたネットフリックスドラマ。

何の予備知識なしに観始めたがとにかくあの、ピエール瀧が堂々と出演していてさすがはネットフリックス、コンプラどこ吹く風の強気の姿勢に感服だ。

原作はなく完全オリジナルらしいが学生相撲の実写映画はあってもプロである大相撲を描いた作品なんてあまり聞いたことがない。

色々理由はあるだろうがとにかくプロ力士に見える役者がまず居ないことがあるだろう。

単にデブではなくちゃんとした筋肉質のデブなんてそこら辺にいるわけないし、身体を作るとしても一朝一夕に完成しない。

そこで元格闘家の一ノ瀬ワタルを主役にしているのはその立派な体格故に非常に説得力があるドラマになっている。

元グレてて番長だったのが力士になったのは大関にまで上り詰めた千代大海が有名だが他にもこの手の事情で角界に入ったのは数え切れないくらいいたのたろう。

忽那汐里って久しぶりに見たがさすがはハリウッド映画とかに出てるだけあってもう日本の地上波ドラマとかには出演しないのかも知れない。

染谷将太は髪を伸ばし頑張って太って相撲取りらしく見せているがとにかく周囲がそれらしい役者がズラリと並んでいるのでどうしても見劣りするが、そういう役なので大丈夫なのだろう。

真偽はわからないが相撲部屋ではこんな理不尽なイジメや軋轢は本当にありそうな気がしてリアリティーがある。

敬語知らずのケンカ自慢のグレた若者が最初は体格と腕力だけでどうにかしていたのに徐々にその才能を発揮してスポーツとしての相撲道に目覚めていくという展開はまるでスラムダンクのようだ。

しかし相撲の格闘シーンの迫力は半端なく、CGを使ってるようにも見えないのでガチで体を張ってるのだろうがそれにしてもこれは説得力がある。

余貴美子が母親役で出てるがトンデモなアバズレもちゃんと絵になってる演技力が凄い。

ネットフリックスドラマにありがちな必要性を感じられないエロシーンがないのも好ましくブレの感じられない演出も心地よい。

ドタバタのお笑い要素も随所に散りばめられていて本当に観ていて全然飽きない。

大関役で元中日ドラゴンズ郭源治の息子の佳久創が出てるが「ノーサイドゲーム」で精悍なラグビー選手を演じていたが今回は見違えるように太って大相撲力士に見える身体作りをしてる。

彼だけではなくこの作品に力士役で出てる役者さんはほとんど凄い身体してるし、ちょんまげも本物だし相当長く準備をしているのは間違いない。

特にライバルの静内役、住洋樹は体格的にただのデブではなくガッチリした大相撲のプロ力士にしか見えず、調べてみたら元大相撲力士のようだ。

相撲に於けるイップスにも本格的に言及されていてこう言うのは実際にあるのだろう。

長尺の第7話がこのドラマのターニングポイントになるのだがここに至るまでの伏線もよく考えられていてとにかく虜にさせられる。

相撲版、桜木花道の色彩はどんどん濃くなってスラムダンク好きにはタマラン展開にドラマが終わってしまうのが惜しくなる。

最後の方は誰かが死んだり可哀想な訳でもないのに観ていて感動して泣けてしまった。

大麻問題を起こしたピエール瀧だが重要な役柄である親方を見事に演じていて確かにあの一件で埋もれてしまうのはもったいないのは確かだ。

敬語と礼儀とそして相撲道に目覚めた主人公の猿桜(えんおう)の活躍はこれからが本番なのだろうからここで終わってしまうのはあまりにも惜しいので是非とも続編の製作を強くお願いしたいサンクチュアリ -聖域-だった。