『アベンジャーズ』シリーズなどを手掛けるマーベル・スタジオによるヒーローアクション。
悪の組織を率いる父親の恐ろしい計画に巻き込まれていく主人公の姿を描く。
『黒い司法 0%からの奇跡』などのデスティン・ダニエル・クレットンがメガホンを取る。
シム・リウが主人公、『インファナル・アフェア』シリーズなどのトニー・レオンが父親を演じ、『クレイジー・リッチ!』などのミシェル・ヨー、『フェアウェル』などのオークワフィナらが共演する。
犯罪組織を率いる父親(トニー・レオン)に幼いころから鍛え上げられ、最強の力を持ったシャン・チー(シム・リウ)は、組織の後継者とみなされていた。
だが、彼は自らの力を封印し、過去の自分と決別してサンフランシスコでホテルマンとして平凡に暮らそうとする。
だが、伝説の腕輪"テン・リングス"を操る父親が世界を恐怖に陥れようとしたため、シャン・チーはついに封印していた力を解き放つ。
中国人ヒーローと言う中国市場を非常に意識したマーベル作品。
作品の冒頭はセリフもデフォルトで中国語が使われており言われなければ中国映画かと思うほどだ。
マーベル作品らしくストーリーらしきものはそれほどなく、内容はスカスカではあるがアクションには息を呑んで凝視してしまうくらいに凄まじい。
ここまで来たら英語を話す中国人ばかりのハリウッド版カンフー映画として割り切って観るのが正解だ。
出演者もほとんどが中国系でディズニーは中国ベッタリと言われる所以がよくわかる。
だが事態はそう甘くなかったようでディズニーの思惑に反してこの作品は現時点では中国で上映されなかったようだ。
日本では余程の理由がない限り映画が政府から止められるなんて考えられないが、彼の国では当局が許可しないと映画を上映できないとか要は表現の自由なんてないのだろう。
それはさておきここまでストーリーがグダグダだとアクションシーン以外は退屈で特に後半は辛くなってくる。
それに現代劇なのにアメリカ人が考えるところのいわゆる昔の中国が描かれていて作風的にテイストがちょっと古く感じる。
CGを駆使しているのだがストーリーを含めて昔の香港映画を観ているようだ。
茶番劇の果てにさすがにアクションシーンも飽きてアクビが止まらなくなってしまったシャン・チー/テン・リングスの伝説だったが、中国人の大好きな竜まで出して中国市場狙ったが中国で公開できないなんていやはやなんとも皮肉なもんではあるわな。
エンドロールにイーグルスのホテル・カリフォルニアが流れるのはいいがクライマックスのツインギターに行かないのはさらなるガッカリだった(笑)