らをた広島

食べ歩きブログ

サンクタム


2011年アバターのジェームスキャメロン制作総指揮最新作品。
紛らわしいが要するにこの作品監督はジェームスキャメロンではなくアリスター・グリアソンというまだあまり知られていない新鋭監督ということだ。
DVDで観た。
実話をベースにした洞窟探検の物語。
タイトルのサンクタムは聖域と言う意味だ。
山口の秋芳洞もそれこそかなりすごいと思ったものだがやはり世界のスケールは破格だ。
狭く真っ暗な水中鍾乳洞を進んで行く様子は危険極まりなく閉所恐怖症の自分には何が楽しいのか理解不能だがそういうロマンがあるのだろう。
事実ボンベトラブルに始まり自然の過酷なまでのハプニングが次々に畳かかってくる。
洞窟探検だったはずがひとりまたひとりと事故でメンバーが減って行く決死の脱出劇へと変わる。
まあそれでもストーリーは普通と言うか斬新さはないと言うかなんとなく先が読めてしまうのでそういう部分がウリの映画じゃないからいいのだがずーっと暗い洞窟の中が舞台のパニックシーンこそがメインの作品だ。
全世界でメガヒットしたアバターでは全編3D・CGに役者の顔を後からはめこんだような内容だったが今回のサンクタムではCGはかなり控えめで実際のセットでの撮影を多用してるのはこの作品をジェームスキャメロンに任されたアリスター・グリアソン監督のせめてものアンチテーゼか(笑)
個人的にはどことなく「風の谷のナウシカ」のパクリに感じられた前作よりは遥かに好ましいデキでこの監督のこれからを期待させるにはじゅうぶんだ。
さまざまな困難を乗り越えていきながら主役はいつしか父親から息子へと受け継がれるのだが本当に久しぶりにしっかりとした作りの冒険モノをみたような気がした。
ただ尺の関係なのか少々駆け足が過ぎたようで冒険が始まるまでの導入が淡白すぎるように思えなくもない。
これはもう少し時間を割いてくれないと登場人物の人間関係やバックボーンがよくわからないままいきなりパニックに突入されてしまい、最初誰が誰でなにがなんだかわからなかった。
それを差し引いてもトータルでは相当よくできた上質な作品であることは保証できる。
日本での公開が東日本大震災と重なり内容が内容だけにちょっと時期的に損をしてしまった映画のようだ。
だがこれならハナから息子が主人公の続編を楽しみにしても良さそうだ(笑)